ライターの『読モ』化は恥だが金になる

先日、宮崎智之さんが書いた「ライターが“読モ”化している件について」がバズっていました。以前からなんとなく理解できていたことが言語化してくれる人が出てきてくれ、妙に納得できた部分があります。今回のライター業界に起きている“読モ”化の流れや内容について自分なりの意見や感想をまとめました。

ライターが“読モ”化している件について

現在では「ライター」の定義自体が揺らいでいて、同業者と話していても共通認識が得られず、議論が空転することもしばしばだ。しかしそこに、「ネットやSNSの出現によって、ライターの仕事が『読モ』みたいなものに近づいている」という補助線を引くと、現状がクリアになる気がする。

出典:ライターが“読モ”化している件について(宮崎智之) - 個人 - Yahoo!ニュース

ライターが「読モ(読者モデル)」化しているそうです。言い得て妙。表現が上手い。今回の「読モ」化ですが、個人のブランディング化だと言い換えることができます。

ブランディングとはブランドを構築するための組織的かつ長期的な活動のことを言います。一般的には商品やサービスが対象ですが、今回のようにブランドの対象が個人の場合もあります。

個人のブランディング化に関しては10年以上前から数多くの出版本をあり、経済界ではライブドアの堀江貴文氏や株式会社ジャパネットたかた創業者の髙田明氏も個人のブランディングに成功している人だと言えます。

読モ化したライターは大枠ジャンルでは「芸能」に入ると記事では言及されていますが、上記の2名は有識者というより今回の芸能人にカテゴライズされる存在だと思います。

ライター業界でも個人のブランディングが広がってきた

今回の記事から「ライター業界でも個人のブランディングが広がってきた」というのが記事のポイントかと思います。個人的にライターのブランディングで成功出来ている人は『はあちゅう』や『さえり(Twitter@N908Sa)』がパッと思いつきます。

ちなみにTwitter数でブランド力が図れるかと思いますが、はあちゅうはフォロワー数10万人、さえりさんはフォロワー数9万人。ブランディングとして完成されていますね。(はあちゅうはライターというよりブロガー寄りですが、そこの違いは置いときます。)

成功するためにはタレント性が求められる

まず、「読モ」としてのライターには、なによりもタレント性が求められる。顔出しはもちろんのこと、プライベートな情報も重要な「商品」になる。さらに、「読モ」としてのライターにとっては、交友関係も「商品」になる。それらは主にSNSによって可視化され、お互いがお互いに言及し合うことによって、自分たちの価値を高める。

逆説的ですが、顔出しを積極的にしているからこそ「読モ」たりえるのではないかと。読モ成功術としては、美人であることに越したことはありません。女性の(自分も〇〇さんのようになりたい)という欲求を巧みに刺激する能力があれば最強です。

「読モ」というからには対象は女性になりがちですが、ブランディング化に成功している人なら、ヨッピーさんも該当します。私なりのライターの「読モ」の定義ですが、ライターの価値である「記事が面白い」「役立つ」ではなく、「はあちゅうが好き」「ヨッピーが好き」と個人に寄与してしまうと「読モ」だと思います。

ライターの『読モ』化は恥だが金になる

「読モ」としてのライターにとって、 ライティングは自身のタレント性を表現する一つの手段に過ぎず、必ずしもそれにこだわる必要はない。動画や音声配信、イベントなど、どんな形であれ自身を露出させることが重要になる。もちろん、書籍や放送メディアなどに進出することもある。その場合、コンテンツの中身は「知」ではなく、おそらく「共感」が大切になるはずだ。

ライターの『読モ』化は恥だが金になります。ブランディングできている人に依頼するほうが安心なんですよね。インフルエンサーとしての価値もあります。仮に同じ記事を書いても読モ化しているライターの方がバズります。私が書いた記事より、後追い記事のほうがバズっていたときは凹みました。Twitterフォロワー数が多いと、その分お金をとれます。Twitterフォロワー数を一人〇円とかで換算できます。

彼らが読者に売っているのは、「自分自身」だからだ。彼らのターゲット層は、「自分のようになりたい人」であり、読者は彼らのようになりたくて、コンテンツを享受する。彼らの考えに共感することによって、彼らに近づけると読者は期待する。

名前を出して私生活も出していくと、個人的にはしんどいことも増えると思います。ネットで変なこと書かれるし、はあちゅうも「ブス!」と書き込まれていてショックを受けたとどこかで発言していました。

恥ではないですが、有名になると恥ずかしい事も出てくるかと思います。子どもがいると悪影響も懸念されます。「お前の父ちゃん、昨日ブログでこんなこと言っていたぞ」とかイヤですよね…。それを克服する、もしくは気にしない人が成功するのだと思います。

まとめ

マーケティング用語で『AIDMA(アイドマ)の法則』があります。消費者の心理のプロセスを示した略語で、注意、関心、欲求、記憶、行動の頭文字をとっています。SNSがコミュニケーションの中心である現在では『AISASの法則』というマーケティング手法が適していると言われており、今回の「読モ」化はAISASの法則の一つであるShare(共有・拡散)の見事に当てはまっています。

元々は一般人だったけれど成功した人の多くがこの理論を「知らないけれど実践できていた」ことが多いように思えます。そのことからも近い将来、はてなブロガーの読モ化も始まると思います。というか既に始まっていますね。知ってか知らずかマーケティング理論に則っている人が何名かいらっしゃいます。あとは本人の覚悟次第。そうした人が生き残るのは間違いありません。