1982年のフォークランド紛争について詳しく知っている日本人は少ないだろう。イギリスとアルゼンチン間の紛争である。イギリスの首相サッチャーが、なぜあんな島に固執したのかはわからない。
両軍は相手を殺すために地雷を島に埋めまくった。埋めた地雷は数万と言われている。最終的に戦争はイギリスが勝ったが、自分たちも住めない土地になってしまっていた。
地雷撤去には莫大な予算がかかり現実的ではなかった。人間が住めなくなった結果、ペンギンの楽園になった。ペンギンの体重では地雷は作動しない。天敵のトドや人間がいない島でペンギンは繁栄を遂げることになった。
人間は愚かだ。フォークランド諸島には様々な種類のペンギンは共存しているのに、人間は同じ種族同士で殺しあう。価値観の違い、国や文化、言語や宗教。様々な違いをみずから作り出していることに、気づいていながら。
一大コロニーを形成しているペンギンを人間は遠くから見ることしかできない。紛争の本当の勝者は一体誰なのだろうか。私たち人間は過去の戦争から何も教訓を得ていない。ペンギンの姿を見るたびに、複雑な環境になる。