第98回 全国高校野球選手権 出場校一覧 2016
甲子園出場を決めた49校について地方大会の予選の勝ち上がり方や注目選手データをまとめました。
北北海道
代表校:クラーク国際(初出場)
創部3年目で初制覇。サヨナラ勝ちが2試合と勝負強く、安田、金原は打率5割台。実質の主戦平沢津は横手から速球、スライダーを巧みに投げ分ける。広域通信制として1992年開校。校長はプロスキーヤーの三浦雄一郎氏。
南北海道
代表校:北海(2年連続37度目)
2年連続で、全国最多の出場回数を37に伸ばした。昨夏も経験した主将でエースの右腕大西がチームを引っ張る。コールド勝ち3試合と、打線は切れ目がない。1885年創立。OBにヤクルトの若松勉・元監督ら。
青森県
代表校:八戸学院光星(2年ぶり8度目)
2年ぶり。青森大会6試合で53得点の打線は切れ目がなく、9盗塁の1番伊藤を中心に機動力も高い。投手陣は層が厚く、春の選抜大会でも好投したエース右腕の桜井はスライダーが武器。守備は3失策と堅い。1956年創立。
秋田県
代表校:大曲工(初出場)
夏の甲子園は初出場。鈴木理、佐々木、藤井のタイプが異なる3投手を擁し、センターラインを中心に手堅い守りが光る。決勝では八回に5点を挙げて逆転するなど、粘り強さで接戦を勝ち進んできた。1962年創立。
岩手県
5番を担う捕手伊藤をはじめ長打を狙える選手がそろい、岩手大会のチーム打率は4割近い。守備が課題だったが、決勝では堅守で投手陣をもり立てた。3年生右腕坪田、井上涼、2年生左腕三浦の継投がかぎを握る。1958年創立。
代表校:盛岡大付(2年ぶり9度目)
宮城県
代表校:東北(7年ぶり22度目)
7年ぶりの優勝を果たした。エース渡辺が投打の軸。6試合すべて先発し、打者としても3番打者でチームを引っ張った。大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有が2年生の第85回全国選手権(2003年)で準優勝。
山形県
代表校:
終盤の粘り強さで勝ち上がった。チーム7本塁打は県内最多。中軸の丸山や佐藤に長打力がある。萩原と伊賀松は打率4割台と好調。速球派の太田、吉住両右腕と軟投派の左腕須藤、右横手投げの小林と投手層も厚い。1968年創立。
福島県
代表校:聖光学院(10年連続13度目)
戦後最長記録を更新する10年連続の出場。福島大会ではリードを許しても、集中打でひっくり返して精神力の強さを見せた。昨夏もベンチ入りしたエース左腕の鈴木拓は、32回3分の2で31奪三振。OBに阪神の歳内宏明投手らがいる。
群馬県
代表校:
全国制覇した2013年以来の出場。群馬大会6試合でコールド勝ちはなく、エース佐藤を中心とした堅守と数少ない好機をものにする打撃で勝ち上がった。OBに西武・高橋光成投手ら。サッカー部や陸上競技部も全国レベル。
茨城県
代表校:
全試合で先制し、堅実な守備でリードを守り抜いた。茨城大会決勝では1点を死守。要は左腕のエース鈴木昭と変化球が多彩な倉田。打線を牽引するのは打率が4割を超える花輪。2003年に全国優勝を達成。吹奏楽部も全国レベル。
埼玉県
代表校:
3季連続で夏は4回目の甲子園。高橋昂は140キロ台後半の直球に鋭いフォークなど多彩な変化球も交え、埼玉大会で37回52奪三振。楠本、西川ら中軸は勝負強く、守備も7試合で無失策。1982年創立。女子硬式野球部も全国レベル。
栃木県
代表校:
6年連続出場。栃木大会では全6試合で2桁安打。主将山本や入江を中心に打線はつながりがある。投手陣は150キロ近い直球が武器のエース今井らが奮闘した。1885年創立、1962年には史上初の春夏連覇。昨夏は16強入り。
千葉県
代表校:
8強入りした今春の選抜に続き2季連続の甲子園。制球が良く安定感抜群の左腕早川に、7試合で失策3の堅守が特徴だ。打線は小池、鳥海、山下が中心。千葉大会では、7試合中5試合で1点差の勝利。勝負どころでの集中力が光った。
東東京
代表校:
3季連続の甲子園。東東京大会6試合のうち3試合でサヨナラ勝ち。勝負強い打線を引っ張る米田は3試合連続本塁打を放ち、打率5割。制球力のあるエース佐藤奨、140キロ台の直球が武器の竹井ら投手陣の層は厚い。1925年創立。
西東京
代表校:
春夏通じて初。制球力のある早乙女、140キロ超の直球を持つ米原の2枚看板。打率4割超を4人そろえる打線は切れ目がない。6試合で23盗塁の機動力が武器。小さな力を結集する全員野球で、愛称は「ありんこ軍団」。1928年創立。
代表校:
神奈川県
代表校:
3年ぶり。下位打線も本塁打を狙える超重量打線で、神奈川大会で計14本塁打を放ち、大会記録を更新した。プロ注目右腕の藤平は150キロ超の直球が武器。OBには、1998年に春夏連覇を達成したソフトバンクの松坂大輔投手ら。
山梨県
代表校:
5年ぶり。山梨大会5試合すべてで2桁安打。主将滝沢を中心に、チーム打率は4割9分と切れ目のない強力打線で勢いがある。山梨県勢初の優勝を目指す。サッカー部や駅伝部も全国レベルの強豪。1956年創立。
新潟県
代表校:
2年連続。投手陣は、小柄ながらも力強い投球の左腕今村ら4人。打線は4番西山ら中軸に安定感がある。足を絡めた攻撃が持ち味で、23盗塁を決めた。1905年に創立。56年に男女共学になった。元阪急の今井雄太郎投手らが輩出。
長野県
代表校:
エース小林や塩沢らがいる投手陣の層の厚さと、小技を交えて着実に加点する勝負強さで勝ち進んだ。1964年創立。94年に甲子園初出場でベスト4。近年は2012年、14年に出場。初戦突破した14年以上の成績を目指す。
静岡県
代表校:
静岡大会のチーム打率は4割台、19盗塁を決めた攻撃野球だ。「フルスイング打線」が目を引く一方、7試合でわずか3失策。堀、赤井の二遊間や俊足の中堅手栗原を中心に守りも堅い。学校は普通科と美術・デザイン科からなる。
愛知県
代表校:
春夏連続で、夏は2年ぶり。注目のエース藤嶋に加えてスライダーが武器の左腕松山も擁し、チームは計52回で4失点。打線では高木、鈴木理ら下位の打者が結果を残した。春は優勝4回を誇るが、夏は1977年の準優勝が最高。
岐阜県
代表校:
長打力が自慢のチーム。岐阜大会では本塁打4本、二塁打8本。主将・平は4割近い打率を残した。投手陣は1試合平均1.5失点で、守りも堅い。甲子園は春に5回出場。軟式野球部も強豪で、7度の全国選手権優勝を誇る。
富山県
代表校:
3年ぶり。打線は1~4番を含め、左打者が6人。低く強い打球を放って単打でつなぐ。9人で24犠打、8人で16盗塁を記録し、どの打順からでも得点につなげた。投手陣は本格派右腕の中津原、森圭名が柱。1959年創立。
石川県
代表校:星稜(2年ぶり18度目)
石川大会記録を3本上回る本塁打9本を放った強打のチーム。5試合で失策4と守備の堅実さも光った。絶対的なエースは不在だが、戦力分析に基づく多彩な投手陣の継投策で相手打線を抑える。OBに元大リーガーの松井秀喜。
福井県
代表校:北陸(24年ぶり3度目)
24年ぶり。エース水野と本多の投手2人の継投で福井大会を勝ち上がった。大会5試合で4失策と安定した守備が投手をもり立てる。5犠打13盗塁と小技と足を生かした積極的な走塁も得意。計12長打の攻撃力も光る。1880年創立。
三重県
代表校:いなべ総合(6年ぶり2度目)
6年ぶりの夏の甲子園。選抜で登板した山内、夏に急成長した水谷優ら投手陣が豊富。打線は4番藤井を中心に打率4割以上の神田、渡辺雄、守田がいて切れ目がない。「人間力で勝て」をモットーに春夏通じての初勝利を目指す。
滋賀県
代表校:近江(2年ぶり12度目) 2年ぶり。昨春の選抜大会を経験した本格派右腕の京山、変化球で打ち取る深田ら厚い投手層を誇り、滋賀大会では6試合4失点。試合ごとに先発、打順を入れ替え、向井や1年生の北村が躍進した。1938年創立。
京都府
代表校:京都翔英(初出場)
京都大会では全6試合中、4試合でコールド勝ち。すべての試合で2桁安打を放った。チーム打率は4割を超える。上位から下位まで切れ目がない打線は強力だ。1984年創立。創部23年目で初めての夏の甲子園に挑む。
大阪府
代表校:履正社(6年ぶり3度目)
6年ぶり。直球に力がある寺島、球のキレがいい山口の両左腕を擁し、大阪大会8試合で失点はわずか4。打線は切れ目がなく、下位も長打を放ち、中軸も犠打を決める。2014年に選抜準優勝。OBにヤクルトの山田哲人選手ら。
兵庫県
代表校:市尼崎(33年ぶり2度目)
兵庫大会8試合のチーム打率は2割台前半だが、犠打25と手堅く攻め、エース平林を中心とする堅守で勝ち進んだ。2本塁打の4番藤井は、引き分け再試合で決勝打を放つなど勝負強い。池山隆寛・楽天コーチを擁した1983年以来の出場。
奈良県
代表校:智弁学園(2年ぶり18度目)
2年ぶり。今春の選抜王者。奈良大会5試合で36奪三振の右腕エース村上が柱。下位からも得点できる打撃力があり、大橋、福元らの長打力が光る。中堅手青木を中心に外野の守備は堅い。1965年創部。第77回(95年)に4強入り。
和歌山県
代表校:市和歌山(2年ぶり5度目)
春夏連続、夏は2年ぶり、春夏通算10回目。投手は右腕赤羽、左腕栗栖の二枚看板。和歌山大会で長打力を見せた山崎、薮井、木下が攻撃の鍵。1951年創立の市立。65年春に前身の市和歌山商で準優勝。OBにヤクルトの川端慎吾ら。
岡山県
代表校:創志学園(初出場)
岡山大会では、エース高田を中心に投打に安定した力を見せた。高田は直球とキレのある変化球が武器で、4試合で完投。準々決勝の岡山理大付戦で最速154キロを計測した。難波、北川ら俊足の選手がそろう。初出場。2010年創部。
広島県
代表校:広島新庄(2年連続2度目)
2年連続。昨夏の甲子園も経験したエース左腕の堀が140キロ超の直球と切れ味鋭い変化球で引っ張る。打線の中心は北谷や小河ら。犠打や盗塁が多く、精度も高い。1909年創立。OBに巨人の田口麗斗投手ら。
鳥取県
代表校:境(9年ぶり8度目)
積極的に打ちにいく。鳥取大会4試合で52安打43得点。3番を打つ勝部は本塁打3本で打率5割超。2番高塚も打率5割。投手陣は右サイドの隠家(おか)と左上手の高木が中心。1946年創部。夏の甲子園には第34回(52年)に初出場した。
島根県
代表校:出雲(初出場)
投手陣は原、加藤の制球力に優れる二枚看板。捕手の林、遊撃手の都田を中心に守備は安定している。島根大会では23犠打を絡めて小刻みに加点した。昨秋は中国大会8強。1920年創立。県内有数の進学校で吹奏楽部や弓道部も盛ん。
山口県
代表校:高川学園(初出場)
昨夏の経験者が8人残り、ノーシードから勝ち上がった。左腕のエース山野は最速145キロの直球が武器で、山口大会をほぼ1人で投げきった。6試合で24盗塁と、機動力もある。サッカー部は全国レベルの強豪。1878年創立。
香川県
代表校:尽誠学園(9年ぶり11度目)
「攻めの姿勢」を最後まで貫き、選抜準優勝の高松商を破って9年ぶりの甲子園の舞台に臨む。香川大会の6試合中、三~五回に試合をひっくり返した試合が4試合。堅実さと好機の勝負強さを併せ持つ。1884年創立。
徳島県
代表校:鳴門(5年連続11度目)
徳島初の5年連続出場。昨夏の選手権大会を経験したメンバーが10人。左腕河野は過去2年、甲子園で先発し、緩急をつけた投球が持ち味だ。打線は4番手束を軸に5番佐原も勝負強い。創部は1911年。サッカーなど部活動が盛ん。
愛媛県
代表校:松山聖陵(初出場)
ノーシードから勝ち上がった。最速145キロの直球に変化球を織り交ぜる長身右腕アドゥワが軸。打線は打率4割超の1番大村と本塁打2本を含め長打5本の4番稲葉が勝負強い。1970年創部。自転車競技部なども盛ん。
高知県
代表校:明徳義塾(7年連続18度目)
7年連続の夏の甲子園。高知大会で登板した右上手投げの中野、右横手投げの金津はいずれも完投できる力を持つ技巧派だ。打線は1番立花、2番西村が打率5割以上で、全体を引っ張る。第84回(2002年)の全国選手権優勝。
福岡県
代表校:九州国際大付(3年連続7度目)
3年連続の甲子園。福岡大会7試合で61得点。準々決勝と決勝は1点差で競り勝つ勝負強さも。チームの要はエース藤本。140キロ台の直球が武器で球数が増えても球威は落ちない。8強だった昨夏以上の成績をめざす。1958年創立。
佐賀県
代表校:唐津商(5年ぶり5度目)
5年ぶり。下位打線に力があり、7番横山、8番平川は佐賀大会で打率4割超。好右腕谷口は変則的なフォームから130キロ台の直球をコーナーに突く。1917年創立の県立。選手権での最高成績は第66回大会(84年)の3回戦進出。
長崎県
代表校:長崎商(29年ぶり7度目)
野球部が約100年の歴史を持つ古豪。好機に犠打を絡めて着実に得点し、鍛えられた守備で守り抜く。エース本田は全5試合を完投。計44安打を浴びながらも要所を締める気迫の投球で計5失点に抑えた。29年ぶりの出場。
熊本県
代表校:秀岳館(15年ぶり2度目)
15年ぶり。春の選抜で4強入りした打撃力は健在で、熊本大会のチーム打率は4割超。1番原田、2番松尾を中心に5試合で計31盗塁と機動力も印象づけた。選抜で好投した堀江を登板させずに全5試合を継投で勝ち抜き、投手層も厚い。
大分県
代表校:大分(2年ぶり2度目)
大分大会5試合は60安打43得点の打力で圧倒した。上位に左打者が4人ならび、佐藤が2回戦で満塁本塁打。山下も決勝の延長十回に勝ち越しの3点本塁打を放つなど、好機に強い打者がそろう。2年ぶりの出場。1952年創設。
宮崎県
代表校:日南学園(2年ぶり8度目)
2年ぶり。春夏連続で甲子園出場を決めた。エースで主将の左腕森山が大黒柱。4試合31回を投げて28奪三振。失点3に抑えた。打撃では、準々決勝で宮崎大会記録タイとなる21安打を五回までに放った。1951年創立。
鹿児島県
代表校:樟南(3年ぶり19度目)
浜屋と畠中の両左腕の投手力で守り勝ってきた。守備も準決勝までの5試合は無失策と隙がない。決勝は延長十五回で決着がつかず、引き分け再試合で鹿児島実に競り勝った。1883年創立の私立。第76回大会(94年)で全国準優勝。
沖縄県
代表校:嘉手納(初出場)
甲子園出場は、2010年の選抜大会以来。主戦仲地は抜群の制球力と多彩な変化球が武器。打線は一発もあり、上位から下位まで切れ目がない。ベンチ入りメンバーの大半が地元嘉手納町と隣の読谷村の出身。1984年開校。
まとめ
8月21日 - 決勝戦が行われ、作新学院(栃木)が、7 - 1で北海(南北海道)を下し、54年ぶり2回目の優勝。