【キャッシング審査なし】甘い広告は危険なサイン!?

「キャッシング審査なし」という広告やクチコミを見かけることが多くなっているようですね。でも本当に何も審査しないでお金を貸してくれる会社なんてあるのでしょうか?まったく見ず知らずの人から「お金を貸してください」と言われて貸す人なんて考えられませんよね。なにか事情があるような気もします。また実際に審査に通らないという話も気になりますがどのようなことを審査するのか知りたい方、学生や主婦の方必見です。

キャッシング審査なしとは

お金を借りるときやクレジットカードを作るとき、車のローンを組むときや住宅ローンを組むときなどお金の貸借にかかわる契約をする場合、それぞれの金融機関、金融業者は個人信用情報を取得します。取得したデータを基に担当者は申し込んできた相手と契約するかを判断します。

もしあなたがまったく見ず知らずの人から「お金を貸してください」と言われたらどうしますか?「必ず明日返しますから」と言われても「OK」とは言わないでしょう。その人がどういう素性の人なのか変わらないですからね。大事なお金を貸す必要もないし第一貸したくないと思うのが普通の考えでしょう。

その考えは金融機関、金融業者も同じことです。お金にかかわる契約を何も情報がないまま交わしてしまったらお金が戻ってくるという信頼を置けるはずがありません。その信用を得るために「審査」という作業をするのです。

インターネットで「キャッシング審査なし」で検索するとたくさんヒットしますね。

◆審査不要でお金を借りられる!

◆審査なしでお金を借りる

◆審査なしの即日融資,etc

などなどよくもまあこんなに、というくらい見つかるのですがみなさんはこれらサイトをご覧になってどう思いますか?ドラ○もんの「もしも○ックス」で「もしも審査なしでお金を借りることができたら」の世界ではないのです。まったくの他人で何の情報もなしでお金を貸していたらその会社はたちまち倒産の憂き目に合う可能性が高いでしょうね。

街を歩いていても電柱に貼り紙があり「審査ナシ!090-1234-○○○○」なんて書いてあります。電車の中吊り広告、雑誌の広告など「これでもか」というくらい見かけますが聞いたこともない業者の名前が多いようですね。筆者も気になって非通知設定で電話を掛けるとつながらないが、またはつながったとしても「クレジットカードの現金化」の業者でした。

あれこれ訊いているうち「ひやかしは切るよ」と言われるパターンでした。それでも中には金融業者のような感じの会社もありましたが「おたくさんブラックなの?大変だね」と同情され「ウチはそんな人でも貸すよ。いくら欲しいの?」なんて会話が始まりそのうち「トイチで良いかな?」と話が続くのでした。

はて「トイチ?」って何だ?ですね。

それはヤバイかも

「トイチ」とは利息の利率のことで「10日で1割」の利息という言葉を略して「トイチ」と言います。10万円借りて10日で1割の利息といえば1万円ですね。では1カ月借りたらいくらの利息でしょうか?1カ月は30日として考えれば3割の利息で3万円ということです。先ほど筆者が電話した業者では一括返済のみという条件と10日で完済することが条件でした。

もし10日後に完済できない場合は利息1万円だけ入金してくれれば返済期間を10日延長するシステムで、10万円が用意できるまではすっと1万円を払っていくことになるようです。よって完済するときは10万円と利息1万円の合計11万円を用意できるまでは利息だけを払い続けていかなければならないのです。

でもその業者はこうも言っていました。「トイチなんてまだ安い方だよ。トサンだって結構多いよ」。トサンと言ったら10日で3割の利息、ということは10万円借りたら10日ごとに3万円の利息!「パチンコで稼げば20万や30万なんてすぐだよ」と励まされ筆者は電話を切ったのです。

◆10日で1割の利息を年率にすると何%でしょうか?

:1年365日として365日/10日=36.5倍x利率10%=365%ですね。

◆10日で3割の利息を年率にすると何%でしょうか?

:1年365日として365日/10日=36.5倍x利率30%=1,095%ですね。

カードローンや消費者金融業者で10万円借りると年率13.5%から18%ですよ。それが年率365%や1,095%なんて「闇金」じゃないですか!そんな超高金利でお金を借りる人がいるとはちょっと信じがたいことです。

お金を借りるときの審査基準とは?

貸金業法第13条により銀行、クレジットカード会社、カードローン会社、消費者金融業者(以下、これらをまとめて貸金業者とします)がお金を貸すときは必ず個人信用情報を取得しなければならないことになっています。現在信用情報を提供している会社は3社あり業態によっていずれかの信用情報会社に加盟しなければなりません。

◆JICC日本信用情報機構

◆CIC(シー・アイ・シー)

◆全国銀行個人信用情報センター

これらの会社は相互に持っている個人信用情報を共有し健全な貸付業務を行えるように法律で義務づけられています。データの共有は借入残高や延滞や滞納情報、債務整理や自己破産などの事故情報を中心に行われどこかで事故情報が登録されると加盟している貸金業者に分かるように整備されています。

審査の基本

では審査とはどのようなことを調べるのでしょうか。信用情報センターの登録される情報にはどのようなものなのでしょうか。

貸金業者の利益はお金を借りた人が支払う「利息」が最も大きいと言えるでしょう。規模の大きい銀行やその系列会社では資金を株やFX、不動産投資をして利益を得ているところもあるでしょう。でも多くの貸金業は「利息」が利益の柱になっていると言えます。

そうなると審査についても「この人はきちんとお金を返してくれるだろうか」という単純な発想から出発します。信用情報で得た内容はあくまでも参考にして担当者が最終的に契約するかどうかを判断します。その判断材料になるのが「属性」と言われる情報です。

属性とは?

属性とは借入希望者の年齢、性別、収入の額、勤務先、家族構成、住んでいる自宅が持ち家なのか賃貸なのかなど信用情報で取得した内容と今回の申込書に書いてある内容が一致するかどうかです。その中で主に重要視される項目をご紹介します。

◆収入 お金を借りるときに申込書を書かされます。申込書は契約書とは違い上記の項目を「現在時点」の内容で書きます。例えば申込書に書いた年収が300万円、個人情報で取得した年収が500万円だった場合なぜ年収が下がったのか理由が必要です。勤務先が変わったのであれば年収も変わることは不思議なことではありませんが、勤務先が変わっていないのに年収が下がるということは勤めている会社に何か問題があるのかと不安になりますね。

また貸金業法により年収の1/3以上は貸付ができないことになっています。年収が300万円なら100万円までしか貸すことができないのです。

◆他社借入額 総量規制により100万円が上限になっていると、他社から既に100万円借りている場合今回は契約見送りにせざるを得ません。法律を無視して契約はできませんからね。年収が600万円ならその1/3は200万円が契約総額の上限となります。他社借入額が100万円なら後100万円までは契約が可能というわけです。

ただしこの総量規制には銀行からの借入や車のローンなどは含まれません。またクレジットカードのショッピング残高も含まれません。

◆年齢 多くの貸金業者は年齢が20歳から69歳くらいまでなら契約対象としてみます。その中でも45歳から55歳で会社員となるとある程度役職もついているのではないかということでポイントは高めです。

◆家族構成 既婚者で子どももいる方はポイントが高めです。独身の方は生活が不規則になりがちと判断され若干不利ですね。

◆勤務先 比較的名前が知れ渡っている会社は安定企業と判断される傾向があるようです。大企業ならなおポイントは高くなるでしょう。自営業やパート、アルバイトとなるとポイントは下がる傾向が強いでしょう。

◆勤続年数 長ければその分だけ有利になるでしょう。勤務年数が短いと転職しやすい=収入が不安定と見られてしまうようです。

◆役職 役職はないよりもあった方が有利になりやすいです。ただし年収との兼ね合いもあり役職が部長なのに年収が300万円ではつり合いが取れず、虚偽の申し込みではないかと疑われることもあります。

◆正社員か契約社員か やはり収入の安定性を考えると正社員であった方が有利でしょう。

◆職種 歩合制の給料形態よりも固定制の給料形態の方が好まれやすいですね。これも収入に安定と大きくかかわっています。

◆住宅状況 申込者本人名義の持ち家だとポイントが高くなりやすいでしょう。持ち家=逃げないという考えがあるようです。

◆住宅ローン残額 住宅ローン残額と年収のバランスを見ます。年収がいくら多くても住宅ローンの返済額が多いとその分借金返済に回す余裕がないのではないかと判断されるようです。収入に見合う住宅ローンの返済額ならポイントは高めになりますね。

◆居住年数 ポイントが高くなりやすいのは年数が1年よりも10年、20年の方ですね。

◆固定電話 いくら携帯電話が主流になりつつあるとは言っても固定電話を持っているとポイントが高めに出るようです。

◆借入希望額 年収が1000万円と書いてあり、信用情報上も1000万円の年収なのに借入希望額が最初から100万円や200万円は少し不自然に思われるようです。それだけ収入があるのになぜお金が必要なのかと疑われる可能性があります。

◆資金使途 以前は生活費と書くのが一般的でポイントが高かったようですが、現在は生活費と書くと逆に生活できないほど困窮しているのかと判断されてしまいポイントが低くなりやすいです。冠婚葬祭や旅行費と書くと一時的な出費と判断されますが借入希望額と見合うことが重要視されます。

以上が本人属性に関する主な項目です。これらが個人信用情報に入っているようです。項目ひとつずつポイントが付与されますが、項目ごとに「重み」がつけられ最重要項目でポイントを稼ぐことができれば審査に通りやすいと言えるでしょう。

モデル審査とは?

審査が早い貸金業者は個人信用情報と申込書に書いてある項目ごとにポイントをつけて判断するのに、過去の顧客データから似ているデータを抽出し、きちんと返済していたのかそれとも滞納していたのか、または債務整理をしたのかの総合的な判断をコンピュータ上で計算させ契約の成否を決めています。

数学的統計値から判断しますのである程度的確な答えが出るようです。しかし反面確率に頼り過ぎてしまい本来なら契約OKの人でもNGとなるケースもあると言われています。またA社とB社で同じ内容で比べた場合でも判断結果が異なることもあります。それはA社とB社が持っている顧客データの差でしょう。

あまり審査が早い会社の場合は機械的に判断することが多いようです。審査までに1日、2日かかるような会社は担当者の考えが入りますので時間はかかっても正しい審査になると言えるでしょう。

主婦は通る?

主婦は専業主婦でもパートで働いていても収入の額は問わないことが貸金業法に定められています。したがって収入が0円でも総量規制に関係なく契約できることになります。その代り審査の対象は夫になってしまい妻に内緒でお金を借りていることがバレるケースもあるようですね。夫の属性が良ければ主婦は審査に通るようです。

審査が甘いということはあるの?

担当者の裁量にもよる

審査が甘い、というのは「比較的」という前置きが必要ですね。審査が甘い=審査がいらない、わけではありませんよ。審査はきちんと行いそれぞれポイントをつけて最終的に契約するかどうかは担当者の経験も入れて判断するということです。そしてその担当者は会社の方針にしたがって判断しますのでA社では審査に落ちてもB社は審査が通ることも良くある話でしょう。

在籍確認なしとは?

在籍確認とは申込者は本当にその会社に勤めているかの確認です。その際貸金業者から「親戚の者ですが○○を呼んでいただけますでしょうか?」のような電話を入れます。そのときに「○○は今仕事中で電話に出ることができません」と言われれば間違いなく勤めていることが分かりますが「○○という者はおりませんが」と言われれば嘘をついていることが分かります。

貸金業法では第三者に契約の事実を知らせてはならないと定められていますので、上手に電話しないとかえって怪しまれる恐れがあります。最近の貸金業者は在籍確認の方法として保険証や社員証など勤めていることが分かるものをコピーして郵送、またはスキャンしてメールに添付ファイルとして送る方法が多くなっています。

個人信用情報や申込書にとくに問題がない場合は会社へ電話をいれる貸金業者は少なくなったようです。

闇金を疑ってみることも必要

審査が甘いことを大きく広告して借入希望者を誘う非正規業者も多いようです。本人もブラックかも知れないと自信がないため「審査が甘い」の言葉につられてしまうのでしょう。審査が本当に甘かったらその会社は下手すると貸し倒ればかりが増えてしまい死活問題になってしまうでしょう。闇金に引っかからないよう気をつけましょう。

ローンの審査に通るための対策

正規の業者では難しい

正規の貸金業者では収入のない人にお金を貸すことは難しいと言えます。第一に貸金業法に収入のない人の契約はしてはならないと定められています。また貸出し可能額は年収の1/3以内と言う定めもあることから、収入がなければその1/3はゼロですから契約できる可能性はないでしょう。

派遣会社に登録する

派遣会社に登録だけして今回だけ契約するという違法な行為が横行しているようです。前項の在籍確認と同じ考えなのですが、派遣で働いている場合の在籍確認は派遣先ではなく派遣会社となります。

また在籍確認しない場合の証明書は派遣会社発行の証明書となり貸金業者によっては審査が通ってしまう可能性があり、最近では派遣会社の登録者の場合給与明細の提出を求められることが多くなっています。貸金業者もそのあたりは対処していますので嘘はバレます。虚偽申告はしないようにしてください。

自営業者になる

契約時のみ自営業者になって契約するのも違法です。自営業者を名乗れば「事業届」の提出を求められることになります。事業届は税務署、地方事務所、市区町村の3箇所へ提出しなければならない書類です。

「パソコンで適当に作る」のはバレます。貸金業者はそれぞれの「受領印」の押された書類でなければ契約しないようです。また直近の確定申告書の提出も求められる場合もあります。仮にその書類を偽造すれば犯罪ですからそのような行為をしてはなりません。

アルバイトやフリーターなら通る可能性

アルバイトやフリーターでも安定した収入があると分かればお金を借りることができる場合もあるでしょう。ただし審査はきちんと行われますので収入が低い場合や勤続年数が短い場合は契約することは難しくなるでしょう。第一収入が低ければ返済していくことも難しくなるでしょうからしっかり働いて収入を増やすことを考えた方が早いと言えますね。

審査に通らない理由

属性スコアリングを知る

規模の小さい貸金業の場合契約するかどうかは属性のポイントで成否が決まることが多いようです。審査が通らない方はそのポイントが低いのかも知れませんね。審査に通らないにはそれなりの理由があるということを理解した方が良いです。貸金業者が恐れるのは貸し倒れです。そのリスクを抑えるには属性のポイントが高い方と契約することです。

与信ホワイトは通りにくい

個人信用情報を取得しても「該当なし」と結果がでる人のことを「与信ホワイト」といいます。情報がまったくなく白紙であることから「ホワイト」というのですが、貸金業者にとって過去の履歴がないと契約するかどうかは申込書の内容だけとなりますね。例えば新社会人となって初めてカードローンを利用するのなら分かりますが年齢が30歳になっても利用履歴がないというのは不自然に思われるようです。

携帯電話やスマホを分割で購入する際も個人情報へ登録されますのでそれさえもないとなると考えられるのは「自己破産」です。自己破産の履歴は10年で信用情報から消されてしまいます。貸金業者は「この人はもしかしたら自己破産したのではないか」と疑ってしまうのです。

いままでずっと現金主義で生活してきた方にとっては不満が残るでしょう。しかし信用情報が頼りの貸金業ですからたまにはクレジットカードで通販を利用するか公共料金を支払うなどの実績を作っておくことも必要かも知れません。

事故情報

事故情とは、3カ月以上の滞納、債務整理、自己破産の情報です。信用情報センターは3箇所ありどこかでその情報が登録されると3箇所すべてで共有されます。貸金業者は必ずどこか1箇所の情報センターに加入しなければなりませんので、どこかの業者で登録されるとすべての貸金業者に分かってしまいます。そうなると契約は難しくなるでしょう。

即日融資って本当なの?

WEB申し込みなら

店頭で契約すればもちろんその場ですぐにお金を借りることは可能でしょう。しかしインターネットでも申し込みから融資実行まで30分から60分くらいで契約完了し無人契約機からお金を引き出すことが可能な貸金業者も増えました。

ただし契約時間や無人契約機の稼働時間を考慮しないといけませんね。24時間営業には対応していないと考えましょう。目安として申し込みは14時まで、お金の引き出しは21時までのところが多いです。

土日祝日でもOK

大手貸金業者アコムと楽天銀行の組み合わせなら申し込みから入金まで24時間365日対応になっているようです。それも最短で1分で完了するということですから驚きです。楽天銀行と提携しているコンビニならいつでも引き出しができることになりますね。

きちんと審査はしていますよ

大手貸金業者は個人信用情報も自動で取得できるようなシステムが構築されていますので、いくら審査が早いからといっても「無審査」ということは貸金業法上許されていません。きちんと審査されていますので属性が良くない方は契約が難しいでしょう。

正規の業者は審査なしで契約することはありません。審査しないで契約情報だけ登録すると情報センターで分かってしまいます。そうなると行政処分が下りますので法を犯すようなことはしないのです。

まとめ

正規の業者なら「審査なしのキャッシング」はしてはいけませんし、貸金業法を破ることは危険な行為だと認識しています。「審査なし。即融資!」の広告につられ非正規な業者と契約しないように気をつけましょう。契約したばかりに高い利息を請求されることもあり、どんどん深みに入る危険性があると言えます。

お金を借りるときは無理のない計画で、というのは本当です。お金がないのはつらいでしょうが、支払いに追われるのはもっとつらいと思います。日頃から無駄遣いのない生活を心がけたいですね。