無償の奉仕精神(ボランティア活動)悪用の話

これまでの人生で体験したボランティア活動から奉仕精神のメリット・デメリット・注意点についてまとめました。

見返りを求めるのは正しいのか

私の知り合いの経営者の話です。Facebookでも「あれしたい。これしたい。」「協力してくれ。紹介してくれ。助けてくれ」というメッセージを頻繁に発信する人がいます。

発信力は大事ですが、「発信する際に感謝の気持ちある?」って常日頃から考えてしまう部分があるんですが、他の人は一体どういう目で彼をみているかが気になります。彼の周りはお釈迦さまばかりか?

アマゾン欲しいものリスト事件

一つエピソードがあります。その経営者の法人設立の際にアマゾン欲しいものリストを公開し、「恵みをください」的な投稿がありました。私としては気持ちばかりですが、これから大変だろうけど頑張ってほしいと応援の気持ちから数千円のものをプレゼントしました。

1年後、その彼が「お世話になった人を呼んで飲み会を開催しました」という投稿がありました。(あぁ彼の中で数千円の俺はお世話になった人に分類されていないのか)と悲しい気持ちになりました。

そして次にあった際に「あのときはありがとう」の一言ももらえなかったことが、自分の考え方を変えるきっかけになりました。人間には性善説と性悪説があることをふと思い出した。「コイツを信頼したら危ないな」と彼への信頼感が揺らぐ事件でした。

はたして私の器量が小さいのでしょうか、それとも彼が自己中心的なのでしょうか。

一方的に搾取された気分

私も心がせまいと承知していますが、私としては一方的に搾取された気になってしまうんですよね。ギブしたのちにテイクしてくれと考えてしまう。正確には見返りを求めているのではなく、テイクしようとする気持ちを知りたいと思っています。ギブした人間の奉仕精神を悪用していない安心感がほしいです。

数時間の労働や拘束の対価に対して「ありがとう!」の言葉だけじゃ満足できない自分がいる。心の中で「それだけ?」と不満を感じてしまうのは器量の問題だろうか。(往々にして何かを要求する人は見返りやメリットを提示しない。)いや、満足してしまうと搾取されるだけの存在になってしまうから、いまのままでいいんだ。

一つの結論に行き着いた

こうした投稿は無視すればいいので害はない。彼に協力したい人間だけ協力すればいいのだ。しかし、彼は感謝の気持ちがないままだと焼き畑農業みたいになる気がするが、どうなんだろうか。最近はこうした活動を一切していないため、嫌な思いをすることはなくなった。

昔はそれなりに奉仕精神はありました。自分自身も一人では生きてきていないし、何かしらで恩恵に預かって生きてきたと考えていますので、それなりに恩返しをしたいと思っていました。しかし・・・

長年、生きてきて学んだことはボランティア活動ほど人生を損していることはないってことだ。バイトをしてお金を稼いでいたほうがマシ。色々と経験してきた中、その活動していた時間は無駄だったなと後悔しています。(大した時間でもないですけどね。)

NPO法人のボランティア活動の話

ボランティアってなんだっけ? (岩波ブックレット)

ボランティアってなんだっけ? (岩波ブックレット)

 

あるNPO法人を運営している友人から毎週のようにラインのグループでメッセージが届きます。律儀に参加している人がいますが、私は一回も参加していませんし、参加するつもりもありません。なぜなら個人の犠牲ありきでの活動になっているからです。

このNPO法人は今年で数年目を迎えますが、いつも参加してくれる人間が固定になっており、少数の人間の負担が大きいことが課題と挙げられています。そりゃそうだ。

たしかに代表本人の行動量はすごいです。よくモチベーション続きますねと思います。ただし「自分もこれだけやっている。だからみんなもやってくれ」といった姿勢は止めてほしいです。誰かが言ってあげないと本人は未来永劫気づくことはないんだろうな。

戦場の天使と呼ばれたナイチンゲールの言葉

クリミアの天使と呼ばれたフローレンス・ナイチンゲールですが、赤十字社活動には関わっておらず、むしろボランティアによる救護団体の常時組織の設立には真っ向から反対していたそうです。

これは「構成員の自己犠牲のみに頼る援助活動は決して長続きしない」という考えからだそうです。

この言葉を初めて知ったときは救われた。

これまで「お前は感謝の気持ちがない」とか、「みんなで頑張ろう」とか、「(別に助けてもらったことはないにも関わらず)これまで助けてもらったことへの恩返ししろ」とか言われてきましたが、自己中心的な発言でしかありません。

ブラック企業にも共通する考え方と騙されやすい人

ブラックボランティア (角川新書)

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  • 作者:本間 龍
  • 発売日: 2018/07/07
  • メディア: Kindle版
 

ブラック企業では就職するメリットや会社の特徴に「成長」の言葉が頻繁に使われています。目標達成の見返りが給与ではなく、成長であると。そのためにサービス残業しており、宗教に染まらなかった人間か、心が折れた人間から退職していきます。

今回二つの事例を紹介したが、いずれの事例もブラック企業の方法に近いのかもしれない。そして私は騙されやすいタイプなんだと思う。

まとめ

できれば相手に「○○さんとの縁はよくなかった」と思われるより、「○○さんと出会えて良かったです」と言われて死にたいです。徳を積むことで来世で幸せになるくらいなら現世で幸せになりたい。