小室哲哉から考える結婚相手の病気介護と仕事両立問題

今日報道された小室哲哉さんの不倫騒動の釈明会見かと思いきや引退会見になってしまった。会見で語る言葉には病気や介護に対する問題が浮き彫りになり、少し大袈裟に言えば現代社会の縮図があるように感じた。

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18日発売の『週刊文春』で看護師との不倫疑惑が報じられた音楽プロデューサー・小室哲哉(59)が19日、都内で記者会見を開き、一連の騒動を謝罪した。さらに「僕なりのけじめとして引退を決意しました」と発表すると、決意至るまでの経緯を説明。

59歳との年齢からも浮気・不倫ではなく精神的な心の支えが必要だったんだと思う。45歳の相手をこれから30年以上も介護していくのは正直つらい。たとえ将来を誓い合った相手であったとしても。

小室は2002年にglobeのボーカル・KEIKO(45)と結婚。2011年にKEIKOがくも膜下出血になって以来6年、献身的にリハビリを支えてきたが「3年ほどの前から疲れ始めてきたことはあったと思います」と素直な心境を吐露。

今回初めてKEIKO氏の病気を知った。どうやら回復に向かわず今後も闘病生活が続くようだ。

「女性というよりは女の子になった」「音楽にも興味がなくなってしまった」「大人の女性に対してのコミュニケーションが日に日にできなくなっている」とし、「ちょっと疲れ果ててしまった。音楽に向かわなきゃいけない時間が増え、ずっとKEIKOのサポートすることは不可能になり、スタッフ、ご家族の方々たちの支援がないと不可能になってきた」と現状を明かした。

結婚式では「病める時も健やかな時も」との誓いの言葉があるが、病気の内容次第では非常に難しいと思う。小室哲哉氏は仕事面で融通がききやすい立場にあったと思うが、それでも厳しかったのは想像に難くない。普通の会社勤めのサラリーマンだったら家族の介護は仕事を止めない限りは実現不可能だと思う。

自分だったら40代で結婚相手の介護を耐えられるだろうかと考えてしまった。経済的負担を抜きに考えても厳しいものがある。できる自信がない。意思の疎通ができなくなったら心が折れてしまいそうだ。小室哲哉氏は自身の病気も重なって大変そうに感じた。

世間的にも家族への「介護がつらい」の一言は言いづらい。「結婚相手なんだから夫の務め」「裏切者」だとされてしまうだろう。そういった施設はあるものの外部の視線や言動に心が傷ついてしまう。孤独と言われる所以だ。

今回の会見では「もしも自分がその立場だったら」と考えた人は多いと思う。1990年代を代表する音楽プロデューサーが介護疲れで引退なんてシナリオは誰も予想していなかった。小室ファミリー「グローブ」が絶頂期だった当時は、思春期前の年齢だった私には理解できなかったが改めて聞くと作詞・作曲とも素晴らしいものだと心を打たれる。

恋しさと せつなさと 心強さと

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個人的には、篠原涼子「恋しさと せつなさと 心強さと」や、浜田雅功「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」「FRIENDSHIP」が好きだった。再結成を望んでいたが永遠に実現できないのは悲しい。一時代を築いた音楽ユニットを生涯忘れないだろう。