【純情ロマンチカ】感想まとめ♪発行部数350万部突破の大ヒットBL漫画

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書店のコーナーでもきちんと配置されているボーイズラブジャンル。それでもまだまだ敬遠されがちなジャンルではありますが、中村春菊による本作品はアニメ化、ノベライズ化、ドラマCD化とされていきました。2002年より連載開始されて13年目、12月には20巻目を迎える人気シリーズの評判を改めてご紹介します。

『純情ロマンチカ』とは

2002年より連載開始のシリーズ大人気作品

『純情ロマンチカ』は、中村春菊原作のボーイズラブ、いわゆるBLコミックです。2002年より「CIELTresTres」にて掲載され、2014年8月より新季刊雑誌「Emerald」に移籍し、連載13年目に突入しているシリーズ作品です。主題が「純情○○」形式のシリーズ作品であり、2015年7月現在で単行本は19巻まで刊行されており、同年12月に20巻目が発売予定になっている人気作。またアニメ化、ノベライズ化されており、小説家の藤崎都と組んだノベライズも角川ルビー文庫から出ています。

TVアニメーション「純情ロマンチカ3」公式サイト
http://suzukisan.info/

BL初心者でも安心して読めるという意見が多い

初めて買ったBL作品です。こちらの作品からBLに入った方は多いのではないでしょうか。BL初心者の方の入門作品としてもオススメな作品だと思います。

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基本BL苦手なのですが、何故かこれはとても引き込まれてしまいました。BL苦手な私でも読める本です……らぶらぶシーンは苦手だけど……

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多くの読者が「BL初心者でも安心して読める」「BLが苦手は苦手だけれど、中村春菊作品は別。特に純ロマ!」「BL入門にはちょうどいい」などといった声が多く見かけられます。これは『純情ロマンチカ』だけでなく、他の中村春菊の作品にも共通した意見として圧倒的に多く見られます。

確かに濃厚な場面は多少ありますし、直接的な描写は濃くはないものの汗とかその他の雰囲気を醸し出す描写は時折クドいくらい描いてはあるのですが。そういう部分を除いても支持している読者は多いようです。これには注目できますよね。

感覚は少女マンガっぽい?

完全に恋愛メインで、BLというより寧ろ少女漫画に近い。

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少女漫画ばかりな私でも楽しく読めるBLです。片方が男性と入れかわってるだけで少女漫画と同じですねー。

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BLには生々しいほどのリアルさで男同士の世界を描いた作品もあります。けれど、多くは「受け」側の登場人物が女の子目線で描かれている少女漫画設定で、けれど男と男の恋愛に戸惑ったり嫌悪したりして「攻め」の登場人物と心を通わせていくといった設定のものが目立ちます。

中村春菊の作品も「受け」である男性主人公が絵柄も女の子っぽく描かれているのが特徴です。少女マンガで定番の壁ドンもありますし、「男同士の性的描写」でなければ少女マンガとなんら変わらない世界観だろうと思います。

ロマンチカは少女マンガっぽいのだけど、それだけじゃあない!少女マンガのラブコメでもロマンチカと対抗できるような作品はあまりないと思います。ただ性描写があるBLラブコメだけではない魅力があるから、こんなにも長く続いているのに飽きられないのだと思います。少女マンガチックだから売れるのではないのです!

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しかし、少女マンガと同じだから長く愛されているというわけでもないと思っているファンも多いようです。確かにそうですよね。ただのラブコメだったらマンネリになってしまうこともありますし、そのために飽きられていくと思いますから。そのあたりは少女漫画もBL漫画も同じではないかなと思います。

BL漫画界で異例の売り上げでゲーム化まで

BL漫画界で異例の売り上げと聞き試しに1巻だけ買ってみました。ほんと売れてるだけの事はありますね!1巻読んでその後すぐ全巻大人買いしました。やばいくらいハマってます!ギャグ要素もあってテンポが良いのも読んでて飽きさせない魅力の1つですね。よくストーリー性がなくただ性描写しかないBL漫画があるけど、これは違います!ギャグも面白いし感動なシーンもあるしストーリー展開が凄く良かったと思います。

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5万部で大ヒットと言われるBL作品の中で、10巻で350万部という売り上げは異例中の異例なのだろうと思われます。12月の20巻目ではどれくらい売れているのかわからないですが、数字は今から興味深いところです。また売れているからこそゲーム化、アニメ化になっていったのでしょうけれども、ユーザーレビューにも多く見られるように、ただの性描写がある作品ではなくてストーリー性があるからこそ人気もあるのだと思います。

次に緩急ついた展開が上手いことも人気の理由だと考えられます。恋あり、家族の複雑な事情あり、仕事で悩んだりなどとシリアスな展開も描きつつ、ギャグ要素も満載で読ませられてしまう。それが読者にウケたのではないのかと。

原作の中村春菊の魅力とは

TV局でも取り上げられた人気漫画家

NHKの朝の情報番組『あさイチ』の有働由美子アナウンサーは「セックスレス特集」や「脇汗クレーム」などで結構注目を浴びている方ですが、2011年6月24日に『あさイチ』でマンガ特集をしたときにBLを取り上げてくれたのです。ビックリですよね。まさか早朝からBLなんて!世の中変化していくものなのだなあと痛感させられます。

その中で、男同士の同性愛を描いたボーイズ・ラブが紹介されると、有働アナウンサーは「あたしBL読んでる!男女の恋みたいに簡単に結ばれないから切なくていい!!」とBLファンであることを告白したのです。その番組内で紹介された代表的なBLマンガ家が中村春菊です。

そう。少女マンガみたいでも(最近の少女マンガも簡単には結ばれない、じれじれしたものも増えてきたように感じますけど)簡単には結ばれないのがBLなんですよね。普通で考えたら、ありえないだろうと思うことがありえる世界なのがBLなわけですが、男同士だからこそ簡単にいかないという展開もあるのもBLなのです。

そういう切なさとかもどかしさとかを深く描いたストーリー性、魅せる大胆なコマ割りなどで惹きこむのが中村春菊の個性であり魅力です。また中村春菊の上手いところは、メインのカップルの他に、数組の話も同時進行させるという手法でストーリー展開させていくところです。主人公となるカップリングが複数存在し、テーマごとに主人公を切り替え、過去に行ったりサブのスピンオフ物語が挿入されたりして、いろいろなエピソードを描きながら進行させていくのです。エピソードの絡め方、リンクのさせ方が実に絶妙なのです。まるで映画監督のデ・パルマのカメラワークのように。

そして極め付けは台詞の見事さにつきます。甘さ、切なさに涙させられ、コミカルな場面で爆笑させられ、夢中にさせられていく。それが中村春菊ワールドなのです。

中村春菊の画力の変化

ひっさしぶりに読んだら、絵が!違ってる!なんか変わってないイメージだったので、ちょっと衝撃でしたが、進化してるんだなぁ、って月日の流れをしみじみ感じてしまいました。中の人たちの性格とかはまっっったく変わってなくて(あたりまえだけど)ほっこりでした。

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もともと中村春菊の絵が苦手、という方ももちろんいて、いくらヒットしているといっても万人受けしている絵柄ではないのかもしれません。やはりそれは好みの問題ですからどうしようもないことですよね。確かに中村春菊の絵柄は独特なものがあります。何等身あるの、と思うくらいオーバーでデフォルメした体だったり、肩幅どれだけあるんだ、とか手が顔より大きすぎるんじゃない、と突っ込みたくなるのも多いのです。

『純情ロマンチカ』も連載13年目ということで1巻と19巻とでは明らかに絵柄が変わっています。瞳とか輪郭が柔らかくなっています。けれどそれはどんな漫画家も同じではないでしょうか?線一つにしても柔らかさが出てきてテクニックが上達していくのではないのかなと。ペンの使い方も変わっていくのではないのかなと思うのです。それに最初の印象の絵柄が作品を読み進めていくうちに癖になって、キャラクターたちがカッコよく可愛く見えてくる。それも中村春菊の魅力です。

サービス満点なカバー裏マンガ

「きんかくじ濁点(てん)をつければぎんかくじ」高橋美咲

出典:『純情ロマンチカ』第2巻カバー下四コママンガよりby高橋美咲

中村春菊の作品の面白さに、カバー下に書かれているもう一つのマンガがあります。カバーを痛めないように外して読もうとしたら、4コママンガが描いてあって驚いた、という方もいると思います。そのマンガがまた面白いのです!

『純情ロマンチカ』(他の作品も細々とカバー下にマンガが描かれているのがあります)の場合、10巻あたりまで、美咲の兄の孝浩がウサギさんに弟自慢や日常の話などをことあるごとにしています(これはウサギさんが美咲に出会う前の話で、美咲に会う前から孝浩が弟を愛情持って育てていることをウサギさんは知っていたのです)

特に面白いのが、2巻の4コママンガ!美咲が京都に修学旅行に行って俳句の宿題が出て作ったらしいけれど、提出した俳句を先生に注意されたのでアドバイスをウサギさんにしてほしいと孝浩が言ってるのですが、そこで美咲が作った俳句が登場!

「きんかくじ濁点(てん)をつければぎんかくじ」高橋美咲

読んだ瞬間爆笑したのはライターだけではないと思います。こんな4コマがいっぱいあって、笑わせてくれるのも中村春菊の魅力だと思います。

『純情ロマンチカ』とリンクしている出版界を舞台にした『世界一初恋』も人気

初恋の苦い思い出ですっかりやさぐれた大人になった主人公・小野寺律(受)とその初恋の相手・高野政宗(攻)のお話。小野寺が転職した先の上司が偶然にも高野だったことから恋のバトル(?)が始まります。設定が出版社の為、よく知らなかった出版業界の裏側がちょっと垣間みられ、ストーリーもとても面白いと思いました。

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中村春菊作品はその他でもOVAやドラマCDになっているのですが、中でも2008年から連載開始されている『世界一初恋』の人気も『純情ロマンチカ』と同じくらい人気がある作品となっています。

こちらは丸川書店という架空の出版会社(発行先である角川をモチーフにしているのでしょうが)を舞台にしていて、出版社業界用語を紹介したり本が出版されるまでの裏側を垣間みることができて面白いです。また『純情ロマンチカ』の登場人物の数人が丸川出版と関わりがあるためにリンクしていることもあり、二乗しての面白さがあります。

アニメで見てからコミックへ

予想以上にハマる原作!

アニメは観たけど、新刊発売に合わせ読んでみました。兄ちゃんと美咲の深いつながりとか、アニメではさらっと流した場面にいろいろグッとくるものがあった。これからじっくり原作の世界に漬ってみたいな。

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アニメの方の声優さんに興味があったので、原作を友達に借りて読んだ・・・ら…どっぷりハマりました←まさかここまでハマるとは思わずびっくり・・・中村さんすっげえなって思いました。

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2008年4月から6月、同年10月から12月、2015年7月から9月の3クールに渡って『純情ロマンチカ』はアニメ化されました。BLマンガも小説も今はたくさんあるので、原作のほうを未読というのも当然でしょう。アニメで面白かったから原作も、という流れで読んでみたBL愛好者も多くいるようです。原作ではアニメで描かれていない部分ももちろんあって、そこにまたハマったという人も。これは原作も良いだけでなく、アニメ自体の完成度も高かったからこそファンが増えたのですよね。

作品に登場するのは4組のカップリングの物語

『純情ロマンチカ』には4組の男性カップリングが登場しており、その4組がリンクしてストーリーが展開していきます。

純情ロマンチカ──恋をしたのは兄の友達

自分に余裕がなくなる
気づけば一日中お前のことばかり考えてて腹が立つ
──好きだよ

出典:『純情ロマンチカ』第2巻act.3by宇佐美明彦

まず、表題にもなっている『純情ロマンチカ』。これは高3の男子高校生・高橋美咲(たかはしみさき)と、大学受験の為に美咲の兄・高橋孝浩(たかはしたかひろ)から家庭教師として紹介された小説家・宇佐美秋彦(うさみあきひこ・愛称:ウサギさん)の物語です。この2人が主軸なわけですが、美咲は普通の男子高校生なので最初は秋彦のことを毛嫌いしていました。ウサギさんのほうも美咲のことなどなんとも思ってはおらず、長年の友人である美咲の兄の孝浩のことを想っていたのです。孝浩のほうはもちろんウサギさんの気持ちなど気づくこともなく、「親友」としか思ってはいません。

自分の兄に片思いしているウサギさんを嫌悪していた美咲ですが、宝物のように孝浩を大事にしているウサギさんを見ているうちに気持ちが変わっていきます。そしてある日のこと孝浩が結婚することになり、兄の結婚を祝福することもできずに美咲は失恋してしまったウサギさんの心中を思って泣きだしてしまうのです。

純ロマだけは一生愛せる自信がある!あきっぽい私をもうかなり長い間あきさせない!というかあきない!美咲がかわいすぎて嫁にほしいぐらいだけどそこはもちろん宇佐美先生にお願いします。

出典:bookmeter.com

孝浩にハッキリと失恋したウサギさんが、誰にも見せたことがない涙を美咲の肩に顔を伏せて泣いている背中の描写がとにかく切なくて美しくて。声をあげて泣かないウサギさんの代わりに声をあげて泣く美咲のグズグズの泣き顔に笑ってしまいながらも胸がキューンとなってしまいます。けれど互いの想いが通じ合ったとはいえど、いろいろとスムーズにはいきません。大学生になった美咲とウサギさんの物語はここから始まるのです。

大丈夫だよ俺ウサギさんのこと好きだよ

出典:中村春菊漫画『純情ロマンチカ』第8巻act.12by高橋美咲

アニメのほうは美咲を櫻井孝宏が。ウサギさんを花田光が。美咲の兄を谷山紀章が演じています。櫻井孝弘も若手ではBLに数多く出演している声優なのですが、ボス役などが多かった花田光の低音とよくマッチしたカップリングだと思います。

純情エゴイスト──恋は嵐のように吹き荒れる

もっと俺を好きになれ
そして俺のプライドをズタズタにしてその快感を味わわせてくれ

出典:『純情ロマンチカ』第1巻「純情エゴイスト」act.2by上条弘樹

2番目に登場するのがT大文学部を首席卒業→大学院に進学→M大文学部助教授となる上條弘樹(かみじょうひろき)と孤児で大検合格→国立医大へ進学→アメリカでの1年留学→現在はK大学付属病院の研修医となる草間野分(くさまのわき)の物語。

弘樹はウサギさんとは幼馴染の関係で、子供の頃からウサギさんのことを想っていました。孝浩に片思いしているウサギさんに自分を身代わりにしてもいいと告げて身体だけ繋げた瞬間に失恋を味わっているのですが、その直後に野分と出会い、紆余曲折を経て恋人同士となります。

今まで想うことだけだったら、これからは俺に想われて下さい

出典:中村春菊漫画『純情ロマンチカ』第1巻「純情エゴイスト」act.1by草間野分

野分に出会う前は行きずりの相手と一晩だけの関係を持つことが多かった弘樹は、自分を真っ直ぐに想ってくれる野分に対してなかなか素直になれません。とにかくプライドが高い弘樹に対して野分は仔犬のように愛情を向けています。そのツンデレ助教授と研修医の不器用なやりとりが、また面白いのです。また弘樹の幼い時のエピソードがウサギさんとの関わりを描いてあって、ギャグ満載で笑えるのです。

アニメでは弘樹役に伊藤健太郎。野分役を神奈延年が演じています。伊藤健太郎はアニメ『BREACH』の恋次役で勇ましく尖ったイメージがあったので、まさか「受け」をするとはと思った方もいるかと!

純情テロリスト──恋をするのに予告はない

こんな奴を少しだけ好きになってみようかと思った俺を
先生は許してくれるだろうか
──いや
許すのは自分自身かもしれない

出典:中村春菊漫画『純情ロマンチカ』第5巻「純情テロリスト」act.3by宮城庸

3番目に登場するのがM大文学部教授にして、弘樹の直属の上司で35歳の宮城庸(みやぎよう)と、T大法学部受験&現役合格する18歳の高槻忍(たかつきしのぶ)の物語。忍は宮城の元嫁の弟にあたり、オーストラリアに留学していたが、姉と宮城の離婚を機に帰国して告白してきたのです。好きだから責任を取れと。忍は宮城をずっと前から想っていたのですが、宮城とやっと関われたときに姉の婚約者として紹介されたために失恋してしまい、それからもずっと想っていたというのです。

もちろん宮城のほうは17歳も年下で元嫁の弟の忍を想いを受け止められるはずもありません。そして元嫁と別れるにことになったのも実は忘れられない初恋を引きずっていて、誰も愛せないと思っているのです。

アンタが本当に俺を好きになってくれて
そんでアンタが俺を一番に想ってくれないと嫌なんだ…………!

出典:中村春菊漫画『純情ロマンチカ』第7巻「純情テロリスト」act.6by高槻忍

若さゆえに熱情のままに押して押して押しまくる忍が、年長者だけに頑なな宮城の心を氷解させていく過程はとてもきめ細かい描写が続いて、読んでいるこちら側も切なくさせます。案外ガチガチに固まった心というものは、恥も何も忘れてぶつかって来られるほうが壊せるものなのかもしれません。

またBLにあまり出てこない女性キャラですが、宮城の元嫁が自分の荷物を取りに来た際に、別れる原因になったきっかけを宮城に告げるのですが、リアリティある台詞だったのも印象的です。

アニメでは忍役を岸尾だいすけ。宮城役は井上和彦が演じています。吐息のような物悲しいモノローグを井上和彦が聴かせてくれます!『NARUTO』のカカシ先生とはまた違った感じで本当に素敵。

純情ミステイク──恋は時間と共に降り積もる

お前に触れないとイライラして死ぬ

出典:漫画『純情ロマンチカ』第17巻「純情ミステイク」act.3by井坂龍一郎

最後に4番目に来るのは、丸川書店の専務取締役→社長になる井坂龍一郎(いさかりゅういちろう)と20年以上も前からずっと一緒な幼馴染で龍一郎の秘書兼お目付け役の朝比奈薫(あさひなかをる)の物語。ずっと互いに想い合っていたのですが、それに気づかずに大人になってようやく両想いとなります。一家心中しようとしていた薫が子供時代に気遣ってくれた井坂の優しさをずっと大事にしていた場面はジーンとさせられます。

読者レビューにもあるのですが、どちらかというと井坂は『純情ロマンチカ』では美咲に意地悪な面があってあまり良いイメージはなかったのですが、彼が主役の『純情ミステイク』では偉そうなところは変わりませんけど、朝比奈の前では可愛くなるので意外性に富んでました。

私は貴方と24時間一緒にいたいので

出典:漫画『純情ロマンチカ』第17巻「純情ミステイク」act.3by朝比奈薫

社長である井坂はあくまで命令調でしか朝比奈に接することができません。4組の中で一番偉そうです(大手の丸川書店社長ですから偉いんですけど)そんな井坂にクールに対応する朝比奈も目尻に皺とか少し描いてあるなど、年齢を感じさせる大人カップル。

井坂役に森川智之。朝比奈役に置鮎龍太郎なのですが、BLドラマ愛好者の方は驚かれるかもですよね。だって森川智之は“攻めの帝王”とBL界では呼ばれているほどですし、置鮎龍太郎はどちらかというと「受け」役が多い声優なのですから。そういった意味でも面白いカップリングです。

恋をするのに男も女もない?

BLジャンルだけど男性読者もいる!

少女マンガ的手法がとられていて、男性でも意外と読みやすい。ハードなシーンもそれほど多くなく、かなり一般向きなんじゃないかなぁ……。

出典:bookmeter.com

BLは女性読者が大半でしょうけど、中村春菊作品は男性読者もいる模様。コミックスを店頭で購入されているかどうかは不明ですが(男性だから勇気いるでしょうし)、レビューにあるようにハードなシーンも全くないわけではないですけど、やたらめったらあるわけでもないので一般向きという意見にも納得です。

『純情ロマンチカ』は少女マンガっぽい描かれ方もしていますが、恋をするのに男も女もないので恋愛模様に共感を覚える方もいるのではないでしょうか。バトルだけが男性読者を魅了するわけではないだろうなと思うのです。

誰もが一度は恋に破れて新たな恋へ

そしてこの『純情ロマンチカ』以下、『エゴイスト』『テロリスト』(『ミステイク』は朝比奈は井坂の父親を慕っていると思い込んでいただけなので失恋ではないので)の誰か一人は皆、一度は大事な恋を失った経験をしています。

恋に破れて傷ついて、そして新しい恋に出会って。その恋も決して順調ではなくて、手さぐりをしながら歩いています。家族にカミングアウトをするか、カミングアウトした親や兄弟にどう認めさせていくのか。男同士であるがゆえに生じる葛藤もあります。

やっと手に入れた幸せを壊したくない、奪われたくない。そんな切ない願いだって男も女も同じではないのか。好きで好き合っているけれど不安になることもある。そういう気持ちが描いてあって共感を得るからこそ『純情ロマンチカ』の人気は衰えないのではないのかなと思うのです。

一途な恋ありギャグあり、涙ありとバラエティに富んだBLコミック売り上げ№1の『純情ロマンチカ』。BLジャンルではありますが、売れるにはやはり読者の心を掴んで離さない魅力にあふれる世界観がある作品だと思います。ぜひともこの機会に読まれてみませんか?

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