早稲田大学政治経済学部3年生の南谷真鈴さんの偉業に関する感想です。
南谷真鈴とは
早稲田大学政治経済学部2年在籍時の2016年7月4日に、デナリの登頂に成功し、七大陸最高峰制覇を達成。それに先立つ2016年5月23日に、エベレストに日本人最年少登頂した。また、2015年10月にはマナスルの登頂に成功し、日本人最年少の8000メートル峰登頂と女性世界最年少の同山登頂を達成している。2017年4月13日に北極点到達に成功し、「エクスプローラーズ・グランドスラム」(七大陸最高峰・北極点・南極点到達)を世界最年少の20歳112日で達成した。
引用:Wikipedia
どうやら高校生の頃から登山が好きだったようです。
北極点と南極点、世界7大陸最高峰を全て制覇する「エクスプローラーズ・グランドスラム」を世界最年少で遂げた早稲田大3年の南谷真鈴(みなみやまりん)さん(20)が19日、都内で記者会見し、「つらいとは思わなかった。たくさんの支援があってこそ」と感謝した。
引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170419-00050115-yom-soci(リンク切れ)
デナリ(マッキンリー)について
デナリとはマッキンリーのことです。多くの人は中学時代の地理の授業でマッキンリーと勉強したと思いますが、2015年8月31日よりアメリカ合衆国連邦政府はデナリを正式な呼称とすることを告示しました。
マッキンリーは1970年8月に植村直己さんが単独初登頂に成功し、1984年2月に植村直己さんが冬期単独初登頂に成功(その後行方不明)。1993年6月には野口健さん(当時19歳)が成功、2015年6月にはタレントのイモトアヤコさんが日本テレビ撮影隊として登頂したのが記憶に新しいところです。
学校の単位
学校の単位は大丈夫?と思いきや夏休み、冬休み、春休みを利用して今回の偉業を達成した模様です。
2015年01月 - アコンカグア登頂
2015年07月 - キリマンジャロ登頂
2015年08月 - モンブラン登頂
2015年10月 - マナスル登頂
2015年12月 - コジオスコ登頂
2015年12月 - ヴィンソン・マシフ登頂
2016年01月 - 南極点到達
2016年02月 - カルステンツ・ピラミッド登頂
2016年03月 - エルブルス登頂
2016年05月 - エベレスト登頂 (日本人最年少)
2016年07月 - デナリ登頂
2017年04月 - 北極点到達
単独という表記は全くないので複数名のチームで登っているようです。北極点の到達に関してはニュース内で「仲間3人と一緒に到達した」と書かれています。
登山費用について
学生にとっては高額な登山費用や入山料はどうしているのだろうかと調べたところオフィシャルサイトでユニクロ、DeNAトラベル、森永乳業がスポンサーになっていることがわかりました。
2015年時点のエベレスト入山料は、ネパール側では春の通常ルート(南東稜)で1人あたり11,000ドル(約120万円)。他にリエゾン・オフィサーや医療サポート、ロープ設置などの名目で1500ドル(約16万円)ほどかかるそうです。
その他に食糧・装備・渡航期間・人件費を考えると1人あたり最低でも200万から300万円ほどでしょうか。商業登山(旅行会社のツアー)の場合、大体一人300万円~600万円はかかるようです。
現在の世界最高峰への難易度
七大陸最高峰ですが夏季と冬季で難易度が全く違うみたいです。また開拓済みのルートなのか未開拓ルートなのか、単独なのかチームなのかでも難易度が変わってくることをアルピニスト野口健さんが発言しています。ちなみに冬季のデナリ単独登頂は「自殺行為」とも呼ばれるくらい難しいようです。
現実的にはヒマラヤを含め世界の山では既に一般ルートからの登頂は価値のないもので、エベレストですら下は13歳から上は75歳までのべ5000人以上、一般ルートから登頂しているのです。一般の登山者でも山岳ガイド付きでエベレスト登頂出来てしまう、そんな時代なんです
野口さんはこのようなコメントをしており、登山用具やテクノロジーの進化によってエベレストは時期や条件によっては実は簡単なようです。金銭的余裕があるか、時間的余裕があるか、という問題がネックみたいですね。
商業登山や公募隊が盛んになり、登山者数はますます増加する傾向にあるようで、登山者の増加により、渋滞が問題になっているようです。富士山も7月から8月の頂上付近の渋滞は凄いです。
富士山の2016年7月1日から9月10日までの登山者数の合計は約24.8万人。単純計算で1日3500人が登っているから渋滞するのは当然。世界共通で一緒ですね。
2016年7月24日現在の日本人のエベレスト(チョモランマ)登頂者は213人いるらしいですよ。登りやすい春季に集中しており185人が登頂、秋季18人、冬季10人。
やはり冬季は別次元のようです。2000年以降に冬山に成功した人がおらず、近年の登頂者は全員が春季に登っていることがわかります。
日本人のエベレスト(チョモランマ)登頂者一覧
http://www.everest.co.jp/everest95/summiter-j.htm
平成28年夏期の富士山登山者数について
http://kanto.env.go.jp/pre_2016/28.html
まとめ
南谷真鈴さんのグランドスラム達成は確かに偉業ですが、いつの時期に、単独なのか、未開拓ルートなのか、そういった視点で報道してくれると、よりその事実がどの程度の偉業なのかを知ることができます。
山ガールと呼ばれ登山・トレッキング(山歩き)がブームですが、夏の富士山でも死亡事故が毎年のようにあります。登山・トレッキングをするのであれば万が一に備え、万全の準備のもと楽しんでほしいと思います。
南谷真鈴 公式サイト
http://marinminamiya.com/