人材業界に就職しようとする学生にお勧めの経営者本

求人広告や人材派遣や、人材紹介など人材ベンチャー企業に就職した新入社員や、これからベンチャー企業に就職しようと考えている学生にお勧めの経営者ビジネス本をまとめてみました。これまでの業界の動向を知る上でも貴重な経営者の体験本ばかり抜粋しました。

満天の星―フルキャスト物語

満天の星―フルキャスト物語
 

日雇い派遣事業で日本最大級を誇っていた株式会社フルキャスト創業者の平野岳史の自伝本。この本が出版された当時のフルキャストの成長は凄く、日雇い派遣業界ではグッドウィルとフルキャストが人気を二分していました。東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である宮城球場の命名権を取得し、「フルキャストスタジアム宮城」に改称したりして知名度を上げていた時期です。

その後、2007年に事業停止命令を下されたり、日雇い派遣の法改正に伴って、事業変革に迫られた同社ですが、当時の日雇い派遣業界がわかる本でもあります。人材業界に就職している新入社員なら、知っておかないと恥ずかしい分野ですから勉強する意味でもおススメ。

リクルート事件・江副浩正の真実

言わずと知れた人材業界の最大手リクルート。人材業界関わらず知らない人はいないでしょう。そのリクルート創業者の江副浩正が事件について初めて本人が語った本。リクルート事件とはなんであったのかを、主人公自らがはじめて明らかにした現代史の証言です。2009年当時私が在籍していた会社で凄い話題になりました。

1988年のリクルート事件から約30年が経過しているが、いまだにリクルート事件はなんだったのか、という議論がたまにでます。私の元上司が当時リクルートにいて、事件当時の出来事を語ってくれましたが「限りなく白に近いグレー」という、いまだに要領を得ない事件だったそうです。

リクルート事件は14年間争われた日本裁判市場でも類のない長期的な裁判になりました。書評やブログ等では、あんなにも有能な人物を10年以上経済界、社会から追放した責任は重いという声も多く、同社はその後一兆円という途方もない借金を返さなければいけなくなりました。

そして人材業界内では事件のせいで「上場できない」と言われたリクルートは2014年に上場することができましたが、その姿を見れることなく江副さんは2013年に亡くなってしまいました。

私、社長ではなくなりました。

中小企業向け採用代行会社ワイキューブの元社長である安田佳生が会社の倒産劇(正確には民事再生法の適用)を当時の社長が綴った本。

2008年のリーマンショック前に、就職したいランキングで上位に名前があったのが株式会社ワイキューブ。ワイキューブは、社内にワインセラーがあったり、バーがあったり、セレクトショップをつくったりと、色々なことでメディアにも露出していた人材業界内だけに限らず、とても有名な企業でした。

その企業が倒産したと聞き、「やっぱりな」という気持ちと、「ワイキューブもダメだったか!」という気持ちになりました。ジェットコースターのような経営だったと安田さんは振り返っていますが、業界内で話題の会社がどうして倒産したか、意外な台所事業などが赤裸々に語られています。

まとめ

私が面白いと思った人材業界の経営者ビジネス本を3冊選びました。人材業界は栄枯整数が激しく、今回挙げているフルキャストも一時期倒産の危機があり、ワイキューブはなくなっています。このことから学べる部分も多いんじゃないでしょうか。