30代男性が考える就職活動の安定志向とブラック企業の話

近年の就活生は大手志向(安定志向)と言われているが、10年前から大手志向は変わっていない。私自身の体験談としてベンチャー企業は報酬も低く、報われないと感じた。やりがいとか責任感とかスピード出世とかアピールするが、所詮そういった点しかアピールできないのが本音だろう。

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者:要はる
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: Kindle版
 

大手企業ほどブラック企業は少ない。ブラック企業ランキングにあるように大手企業でもセクハラ・パワハラ・過労死・長時間労働など労働問題は多いが、実際には中小企業(ベンチャー企業)のほうが問題は深刻。

東証1部上場企業であれば最低限の勤怠管理や社内モラルはあるので(電通など例外はあるが)労働問題に発展することが少ない。上場企業なら倒産間近でも給料未払いは発生しない。私の友人はニュース報道で自分の会社の倒産を知ったらしいが、株価などの問題もあり、それぐらい社内の人間にも秘匿にされる。総務部や経理部は別にして一般社員は絶対に気づかないし、気づかれないようにする。

大手企業なら労働監督署に通報されるようなことや、裁判になったら絶対に負けるようなことは基本的にしない。もちろんリストラ・大量解雇・企業買収といった残念な結果になる可能性はあるが、それも中小企業よりも可能性は低い。

大手企業が年収や福利厚生面で優れているのは事実だし、あえて一生に一度しかない新卒カードを中小企業に使う意味はない。Fラン大学であれば上場企業に内定はとれないので仕方がないが、マーチレベルの大学生なら上場企業に入社できるので、あえてレベルの低い会社に入社するのはバカだ。

書店では定時退社させている立派な中小企業の経営者の本が並んでいるし、ネットニュースサイトでも独自技術で存在感を示すベンチャー企業が特集されている。しかし、こんな企業は万に一つだし、採用数も1~2名がザラ。幸運にも万馬券を引き当てる就活生は全国で毎年10名にも満たないのではないだろうか。

ベンチャーの採用担当者が「学生諸君、世の中には素晴らしいサービスを展開する企業はたくさんある。大手企業だけでなく、もっと広い視野で物事を判断するべきだ。例えばリクルートも最初は知名度のない中小企業だった」と説明する人がいるが、詭弁だ。リクルートは確かに素晴らしい企業だが、その道程には100社の屍が横たわっている。

ギャンブル好きなら中小企業の入社を止めない。しかし、考えてほしい。なぜ多くの企業が中小企業のままなのだ?市場環境・競合他社・地域特化など様々な理由があると思うが、いわゆるこれが企業の器なのだ。それ以上の成功はあまり期待できないと考えていいだろう。

いまは転職会議や就職会議などで企業の評判や口コミ情報は簡単に手に入る。千円程度払わなくてはいけないサービスもあるが、生活費1日分だと思えば安い投資だ。

そういった意味で大手志向(安定志向)は健全であると言える。これがベンチャー志向になってしまったら「おいおい、考え直せ」となってしまう。

少年よ、大志を抱け(ボーイズ・ビー・アンビシャス) そして大手企業にいけ