くら寿司の誹謗中傷の裁判「敗訴」に見える言論の自由

大手すしチェーン「無添くら寿司」を運営する東証一部上場の飲食企業「くらコーポレーション」が、プロバイダー業者「ソニーネットワークコミュニケーションズ(ソネット)」を相手取り裁判を起こしましたが敗訴しました。自分の意見をまとめました。

「無添加、イカサマくさい」と書き込んだ人物の情報開示、認められず

インターネット掲示板上に「無添という表現はイカサマくさい」などと書き込んだ人物の情報開示を求めた訴訟の判決が2017年4月12日、東京地裁であった。宮坂昌利裁判長は「書き込みは、くら社の社会的評価を低下させるものではなく、仮に低下させるとしても、書き込みには公益性があるため違法性はない」として、請求を棄却した。

引用:https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0412/san_170412_9997228221.html(リンク切れ)

まず、くら寿司がプロバイダ責任制限法(正式には「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」)による制度を利用しソネットに対して個人情報の開示を要求しましたが、ソネットは当該書き込みは違法とはいえないと判断し、書き込んだ人物の情報開示を拒みました。このような経緯があったため、法廷闘争に発展しました。

たかがネットの書き込み程度で裁判沙汰にするくら寿司もどうかと思いますが、圧力に負けず立ち向かったソネットに称賛を送りたいと思います。また「イカサマくさい」程度で裁判を起こすのかと驚きましたが、これって「不味い」とか「最悪」とかブログに書き込んでも裁判沙汰になるんでしょうか。怖い世の中です。

「イカサマくさい」という表現についても「上品とは言えないが、意見・論評の範囲を超えた表現ではない」とした。

私も批評記事を書いたりしますが、あまりふざけた文章にならないように気をつけたいと思います。批評であれば、事実に基づいてしっかり批評すべきだと学びました。

ところでネット上ではインフルエンサーマーケティングや口コミマーケティングというマーケティング手法があります。「この商品いいよ!おススメ!」という記事を意図的に書くわけですが、「事実ではない」「ヤラセ記事」などと批判的な意見もあります。実際にサービスを利用していないと嘘になりますが、利用している場合もヤラセ行為に該当するのかと思うところがあります。

一消費者として、あるサイトである商品が良い評価ばかりだとヤラセだと疑われる部分もありますが、これって悪い評価もあったんだけど消されたんではないか?と疑ってしまいますね。本当の口コミなのか口コミじゃないのか誰も真実がわからなくなります。

またブロガーとしては「悪い」と書けば企業から裁判沙汰を起こされるとしたら、「良い」としか言えなくなるのではないか。「言論の自由はどこにある?」とカッコつけるつもりはないですが「個人の感想くらい問題ないじゃないか」と思ってしまいます。

たかがブロガーでも発言力のある人が増えてきたことに対する警戒心かもしれません。ネット社会もちょっと窮屈になってきたなと思った次第です。