死刑存廃問題を扱った社会派漫画『報復刑』の感想

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死刑存廃問題を全く新しい角度から問いかけている社会派な漫画『報復刑』の感想です。ネタバレが少し含みます。

報復刑

もし報復が可能になったら? しかも合法的に。死刑制度が廃止され、そのかわりに『報復刑』という新法案が成立した日本。中学生の息子をバットで撲殺された父、夫の局部を包丁で切り取られ惨殺された妻、長年連れ添った糟糠の妻をおもしろ半分に殺された老人。彼らの叫び、怒り、悲しみ、が『報復刑』によって犯人につきつけられる時、どんな衝撃が生まれるのか?コミック配信サイトで100万ダウンロードを記録した超問題作、ついに第1巻配信です。

死を題材にしたというよりも、死刑制度の問題点を筆者なりの解決策として「報復刑」という新しい刑罰で問題提起している。基本的に1話完結スタイルなのでテンポよく読めた。加害者、被害者、刑務官など様々な立場にスポットが当てられており、目線を変えながら読むことができるのも魅力。

日本を含むアジア諸国や宗教的に応報が原則とされる中東およびアフリカ諸国の大部分、そして欧米文化圏では例外となるアメリカ合衆国の州などで死刑制度が存置されているそうです。ウィキペディアで死刑と、死刑存廃問題を読みました。

死刑とは倫理、法律、刑事政策、人権問題、犯罪抑止力、冤罪の可能性、そして国際外交など様々な問題を抱えており、議論は永久に尽きないものと思われますが、実際に報復刑のような法律が成立したらどうなんだろうかと想像し、ハラハラドキドキしながら読めた。読み応え十分。

https://www.ebigcomic4.jp/title/340053

第1話と最新話が無料で読めます。

死をテーマにしたおススメ漫画

個人的に好きな漫画を3つ挙げました。

死刑囚042

死刑囚042号(本名・田嶋良平)は、椎名という研究者からある実験に誘われる。それは、死刑制度を廃止する代わりに、死刑囚の脳に殺意が芽生えると爆発するチップを埋め込め、監視しながら社会奉仕させるというものだった。その提案を受け入れた田嶋は、とある公立高校で働くことになるが…。

死刑制度を扱った漫画。週刊ヤングジャンプで2002年から2004年に連載されていた。死刑制度について考えさせられる部分もあるが、最終的に感動させられる漫画。死刑制度そのものを深堀りしているわけではなく、「死刑囚が学校で働く」というありえない設定でもある。だけど超おススメ漫画。一人の死刑囚の人間模様を描いた感動作。

トリガー

人気コンビ・インパルスの板倉俊之が書いたハードアクション小説をコミック化! 近未来、射殺許可法が制定された日本で、各県に1人ずつ選ばれる「トリガー」たち。それぞれの信念に従い、≪悪≫と判断したターゲットに、彼らは弾丸を撃ち込む! 「国王」編、東京、千葉、静岡の「トリガー」編を完全収録。

凶悪犯罪に対する抑止力と絶対正義の漫画。「凶悪犯罪者は死んでよし」という意味では同じかも。犯罪を犯す前の対応策であり、設定はフィクションが強い。極端な設定ではあるものの、考え方はシンプルで純粋。

死役所

お客様は仏様です。此岸と彼岸の境界に存在する、死役所。ここには、自殺、他殺、病死、事故死……すべての死者が訪れる。罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは――。“よく頑張ったな、直樹…。もういい、好きに生きなさい”家庭教育の在り方について、考えたことはありますか? 魂抉る死者との対話、自立の第10巻。

自殺・事故・他殺を含む死そのものを扱った漫画。設定は面白いが、フィクションなので現実味はない。死刑囚について一部触れているが、それ自体はテーマではない。

まとめ

個人的に死刑制度は賛成だが、一方で凶悪犯罪の抑止力には繋がらないと思ってます。凶悪犯罪の動機として突発的なノリとか、逆恨みが多いですし、情状酌量の余地がないからこそ凶悪犯罪と呼ばれているのかと思います。

多くの人が報復刑はあってもいいと考えるかもしれない。実際に私がそうだった。しかし、読んでみて物事は決して簡単ではないと気づいた。あらすじで問題作だと書かれている通り、出版社ウケはよくないだろうし、大衆ウケしないテーマだけど、こうした社会派漫画こそ「この漫画がすごい!」とか、漫画大賞にノミネートしてほしい。

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