なにかと嫌われ者なハロゲンランプですが、なんでもかんでもHIDやLEDバルブにすれば良いってもんじゃありませんよ!
- 明るけりゃいいってモンではない
- ハロゲンランプは嫌われ者か?
- ハロゲンランプの必要性
- 実は暗くなる?
- 光軸が出ない?
- ライト内が溶ける?
- ライト内に水滴が?
- なんだかんだ消費量が多い?
- 雪で前が見えない?
- 旧車はハロゲンライトで味が出る
- ハロゲンバルブ紹介
- 明るいハロゲンバルブはこれで決まり!
- 明るさとファッション性の両立ならこのあたり
- まとめ
明るけりゃいいってモンではない
最近は純正ヘッドライトではHIDやLEDといった消費電力が少なく明るいものが定番になっています。光の色も純白でハッキリした発光色でカッコ良く見えますね。これにあやかって、純正のハロゲンヘッドライトからHIDやLEDに交換する人も多いはずです。
純正のハロゲンヘッドライトは黄色みの混ざった発光色で少し古臭い雰囲気がありますね。
かと言って白く発光させるタイプのハロゲンでは、ランプに青色のフィルターを通しているので暗くなってしまいます。これでは特に雨や雪などの視界の悪い状況では余計に見えにくくなってしまいます。どちらかというと車にこだわりのある人には嫌われがちな存在なのがハロゲンランプですね。
ハロゲンランプは嫌われ者か?
さてそんなハロゲンランプですが、HIDやLEDに交換すれば消費電力が少なく、明るくなりメリットばかりなのでしょうか?いえ、そんなことはありません。ハロゲンランプのメリットをご紹介しましょう。
ヘッドライトの基礎知識
色温度の違いによる特性を理解しておきましょう。光の色を表す値に色温度があります。ヘッドライトバルブではK(ケルビン)で表すことが多いです。それではケルビン数の特徴を紹介します。
【3,000K】
黄色のような光です。霧などの悪天候時に本領発揮してくれます。フォグランプに採用されるとことが多い色温度です。道路などの街灯が黄色やオレンジなのも悪天候時に見やすいためと言われています。
【3,200~3,500k】
純正バルブの色温度がこの辺りのようです。少し黄色かかった、たき火などの炎と同じ色温度と言われ、心理学では見ていて安心感が出るとも言われています。悪天候にも安定して視界を確保してくれます。非常に万能な色温度と言えます。
【4,000~5,000K】
純正よりもやや白く、『白色』とも言えるタイプ。視覚効果で明るく見えると言われていますが、悪天候などは条件によっては不向きとも言えます。バルブ本体に青いフィルターを通すので減光されてしまいます。
【6,000~6,500K】
ここまで来ると青みが強まってきます。そのためフィルター色がより強まるのでライトの灯り自体が4,000~5,000Kに比べより暗くなってしまいます。ですので悪天候時などは不利です。
大雨などにはかなり弱く、道路の端などが死角になってしまう程です。どちらかと言うとファッション性が強いので実用向きではありません。パッと見は明るく見えますが、実際はその反対です。注意しましょう。
自動車のヘッドラントに採用されているディスチャージヘッドラントは、従来のハロゲンライトに比べて電力消費量が少なく明るいのでが特徴です。純正採用する車種も増えている一方で、軽自動車など一部ではオプションに指定されています。
メーカーによって呼び名が違い、HIDヘッドライトやキセノンヘッドライトと呼ばれているため、違うものに感じてしまう勘違いをする場合があるので注意をしましょう。
ハロゲンランプの必要性
はたしてHIDやLEDにすることが正解なのか?
純正ハロゲンランプの車だと暗いイメージや、光の色がハッキリしなくてHIDやLEDヘッドライトに交換したくなりますよね。ライトのスイッチをONにしたときゆっくり「フワッ」と点灯するハロゲンに対して、HIDやLEDは素早く「パッ」と点灯するシーンもカッコ良く思えます。
最近ではLEDやHIDバルブキットも低価格で販売されていることから多くの車がハロゲンからそれらに交換していますね。しかし交換すれば明るくなるのか? と言う実はそうでもないケースが多く報告されています。そのほかデメリットやリスクもあるので順に紹介します。
実は暗くなる?
純正でハロゲンランプを装着しているヘッドライトにHIDやLEDバルブを入れると、一見すると明るくなったように見えます。運転していてもそれは実感できると思います。しかし、ここで落とし穴があります。
実は規格外の大きさのバルブを入れることによって、リフレクター(反射板)が上手く光を照射せず、光を散りばめてしまい、結果暗くなるといったケースに陥ることが多くあります。
わかりやすく説明すると、前方に光が集まらなく、上下左右に光が散らばり、明るいように感じるけど、光量が必要な場所は暗くなっていると言うことです。ですので車から降りてヘッドライトの光を見ると眩しく感じ、明るくなった印象を受けます。
これは数値的にも言えることで、車検時などにヘッドライトの明るさや光軸を検査するテストがあります。このときにHIDやLEDにカスタムしたライトでは暗くて通らないといったケースが多く報告されています。
ヘッドライトのリフレクターはあくまでも想定される規格で設計されています。同じ車種で純正ハロゲンヘッドライトとHIDライトのリフレクターを覗いて見てください。形やデザインが違うのがおわかりいただけると思います。
光軸が出ない?
先ほども紹介した通り、HIDやLEDバルブはハロゲンライトに比べてバルブ本体が大きくなる傾向にあります。特にLEDライトは光が散らばり難い性質を持っているので、LEDチップの配列が各メーカー違います。
そのためリフレクターとの相性が悪いと、直線的にしか光が照射されないか、散らばり過ぎるといったとても不安定な光り方をします。光軸が出ないことに繋がるケースが多いです。HIDバルブはバルブ自体の光が強いのでリフレクター内で乱反射してしまうため結果的に光軸が出ないといった現象が起きます。
ですので社外品のHIDを使用している車が対向車にいると余計に眩しいのはそういった理由からきています。これでは運転手はもちろん、対向車などにも迷惑を掛けていることになるので注意しましょう。
ライト内が溶ける?
これは純正ハロゲンからHIDバルブに交換したときにある不具合です。純正ハロゲンバルブより大きくなるので、ヘッドライトレンズとの距離が近くなり照射時の熱で溶けてしまいます。これは最悪の場合、車両火災にも繋がりかねないので、装着時はレンズとの距離を確認して注意しましょう。
ライト内に水滴が?
純正ハロゲンバルブからHIDやLEDバルブに交換した際、配線などの都合でゴム製の浸水防止キャップを加工する必要がある場合、上手く加工できず隙間ができ、そこから水が浸入するケースがあります。
これはバルブの劣化を早めてしまったり、故障にも繋がるので注意しましょう。ヘッドライト内は一度湿気を持つと、しっかり乾かさない限り元に戻らないのでやっかいなことになります。
なんだかんだ消費量が多い?
HIDヘッドライトに交換したときに起こる現象ですが、純正バルブから交換したとき、イグナイターの故障でないとき、ライトがチラつく現象があります。
特に多いのが、アイドリングではチラつき、走り出すと安定する。これはアイドリング時の電力が足りていないことが考えられます。バッテリーの消耗や発電装置の劣化などが原因となりますが…。
純正ハロゲンバルブではそのような不具合を感じなかったのになぜ? となってしまいます。HIDバルブのウリは消費量が少ないのに…。この現象は特に安い海外メーカーのHIDキットに発生するケースです、注意しましょう。
雪で前が見えない?
照射による熱を発しにくいLEDバルブを使用した際、ヘッドライトに積もった雪を溶かしにくい傾向があるので、積雪地域では不利な傾向があります。雪が積もることによって夜道の照射を邪魔する訳ですから、ヘッドライトの役目を果たしません。
ヘッドライトに雪が積もれば降りて雪掻きを繰り返す必要があります。ときには危険を引き起こす場合もあるので、雪道を走行する場合はLEDはおすすめしません。ハロゲンバルブが雪を溶かしやすいと言われています。
旧車はハロゲンライトで味が出る
旧車でも白や青系のようなハッキリ照射するヘッドライトが一般的となってきました。確かに垢抜けた感じも良いのですが、道路を走る車のライトを見ても、HIDやLEDが一般的となり、逆にハロゲンバルブが少数派となってきました。
特に最近の車でも商用車や仕事で使用されている車はハロゲンバルブが採用されていますが、新しい車にあの黄色っぽい光はなぜか違和感がありますね。ヘッドライト=HIDかLED! となっている風潮を感じます。そこでどうでしょうか?
旧車は逆にハロゲンバルブが光の方が似合うので、この時代にあえてハロゲンバルブで旧車を主張してみてはいかがでしょうか?特に旧車はHIDやLEDバルブでは光軸が出ないケースが多いと思います。ハロゲンバルブの光は良い味が出ると思いますよ!
ハロゲンバルブ紹介
悪天候対応のイエローバルブ!
イエロー光は波長が長く、透過性に優れている為、雨、雪、霧等の悪天候時の照射性能に優れています●視認性の高いディープイエロー光●フォグランプの使用にオススメ
こちらは2,400Kと高レベルのイエローの光を発するバルブです。このイエローは特に霧や雨に強いので、より安全に走行する意識のある方におすすめです。その反面、通常時は少し暗く感じると思います。
●光束値(ルーメン)と色温度(ケルビン)を見直し、車輌点灯時の光度(カンデラ)を飛躍的に高めました。
●大きな特徴は、これまで以上に明るく、しかも寿命が長く、さらにより多くの車や検査条件に対応しました。
●全てのバルブにECE規格を上回る光束値を設定し、光が通りやすく、明るさも増す独自の単色コーティングを採用しました。これにより測定器による光度変化を解消し、測定条件(機器や車輌)に関わらず車検をパスできるようになりました。
●まじりっ気のないキレイな黄色光を照射します。
●イエローは障害物を認識するのにもっとも適した照射光。雨・雪・霧など悪条件下で優れた視認性を発揮します。
こちらは2,800Kとなっています。2,400Kでは少し黄色すぎるかな? 通常時に暗すぎるかな? とお考えの人におすすめです。
明るいハロゲンバルブはこれで決まり!
圧倒的な明るさを感を発揮するハイパーフォーマンスクリアハロゲン! レイブリック車検対応クリアハロゲン中最高の明るさ感を実現!!明るさ感を重視したクリアな照射光!!
おそらくハロゲンバルブの中でも十分な明るさを持っているのがこの3,000~4,000Kかと思います。
明るさとファッション性の両立ならこのあたり
あらゆる走行シーンで見やすい白さ・ドレスアップ性よりも本質の明るさを追及した商品・本質の明るさと気品を提供する非常に明るいハイワッテージバルブ。
このあたりのケルビン数は純白の光です。明るさもファッション性も両立しているのでおすすめです。
とにかくファッション性重視なら
こちらは6100Kと非常に青みが強いモデルとなっています。悪天候時の視界は悪くなる傾向にありますが、ファッション性が高いのが魅力です。
まとめ
ハロゲンランプは嫌われ者のような存在のようですが、上手に使うことによってHIDやLEDバルブより明るい照射が可能です。温もりのあるハロゲンランプを上手く使用してください。