円錐角膜手術(角膜内リング&クロスリンキング治療)体験記~角膜手術編~

手術日当日。運命の日です。時間帯は午後15時過ぎ。手術室に入ってまずスタッフの多さに驚きました。総勢8人くらいいたときは、(なんでこんなに人が多いのかな?ラグビーのスクラムでも組むのかな?)と思いました。レーシックのときは2人くらいだったような…。

ついに手術開始!

手術台の周囲の最新治療機械と、機械から聞こえてくる不協和音が、これからおこなう手術の大変さを物語っていました。手術台に寝てもすぐには手術は開始されません。

すでに周囲の機械は作動しており、異常な機械音が聞こえてきます。このとき目の麻酔だけの状態を呪いました。全ての音や匂いや感触が恐怖の対象です。

角膜内リング手術

最初に角膜内リング手術になります。当然、目の手術なのでまばたき防止のため目を固定して開けた状態で手術します。ハンダゴテみたいな電気メス?からはジジジ」という恐怖の音が聞こえていました。あぁこれで俺の目をいじくるんだなと手術前の段階ですでに心が折れそうになりました。

でも本当の恐怖はそれからでした。何回も書きますが特殊な疾患なので、専用の機械と専用のスタッフを揃えてもらったわけですが、執刀医の北澤先生以外は機械操作に不慣れなのか、少しだけテンパっている感じがわかりました。私は物凄いテンパってました。執刀医の先生以外全員がテンパってました。

いよいよオペ開始。手術の全てが超至近距離で見えました。目の手術の場合、メスで切るんじゃなくて電気メス(多分)で焼くんだよ。ワンポイントアドバイスです。凄い丸い鉛筆を押し当てられている感触です。

目の中にリングを入れる手術自体は5分か10分かからない程度で終わりました。1針だけ縫いました。実際のオペ開始から終了まではさらに短いです。麻酔をしているとはいえ痛みもありませんでした。私の中でゴッドハンド北澤の誕生の瞬間でした。

休憩タイム?

次の手術までに30分間の麻酔・消毒タイムがあり、1分間毎に目に2種類の点眼をしました。特に痛みもなく、音楽を聴きながら過ごしました(事前に手術室にipodの持ち込みOKということを教えてくれました)。

この休憩時間?がなければ発狂していたと思います。なおアシスタントの人に「このタイプの手術って最近いつありました?」って聞いたら、「ここのところは・・・記憶にないですね。」と言われました。「ここのところ」が何ヶ月なのか、知らないほうが言いと本能的に感じ、聞くのを止めました。

角膜クロスリンキング手術

最後に角膜クロスリンキングの手術に移りました。手術は大げさな表現で、30分間目に紫外線を当てるだけです。それだけなんですが・・・目に「バシッ」と紫外線を当てられるのが結構痛い。しかも目を機械で開いたままにしているので余計つらい。この手術が一番きつかったです

最初の5分間で私のメンタルはズタボロでした。もう少し時間がかかっていたら間違いなく発狂していました。無限とも思える悠久の時間だったと覚えています。ひたすら…本当にひたすら耐えて、合計1時間の手術が全て終わりました。

角膜クロスリンキング手術とは角膜にリボフラビン(ビタミンB2)点眼と医療用紫外線を照射することで、角膜の大部分を占める実質コラーゲン繊維の強度を強くする治療です。円錐角膜や角膜拡張症(エクタジア)の進行を抑える効果があります。

普通、痛みとかは「個人差がある」と説明することが多いと思います。ただ今回の手術ですが先生が「とても痛く、つらいと思います。」って事前に説明をうけました。先生が痛いと表現するのは120%の激痛が保証されていることがわかりました。

ただ手術自体はそんなに難易度は高くない手術だろうなと振り返ってみて思いました。ホームページでも「コンピューターコントロールのもと行うことで、精密で安全性の高い手術が可能になりました」と書かれています。

「めっちゃ痛いけど失敗のリスクもない。」と直接的なことは病院側は立場上強く言えませんね。もちろん個人差によるんでしょうけど。手術は問題なく終わったものの、私の精神は著しく消耗しました。1時間(特に後半戦)がおそろしく長かったです。

次回、術後経過編になります。

円錐角膜手術(角膜内リング&クロスリンキング治療)体験記~術後経過編~