今では誰もが聞いたことのある言葉となっている「断捨離」。今回は、断捨離の本質とやり方、そして断捨離をスムーズに進めるコツをご紹介します。自分の身の回りをスッキリさせれば、心もスッキリ。シンプルな生活、始めてみませんか?
断捨離のポイント
断捨離のポイントは、ただ部屋を片付けるのではなく、「不要なものを減らす」ということ。モノが減っていけば減っていくほど、今までモノが邪魔していて見えなかった壁や床、ホコリなどが見えてくるようになります。
モノがごちゃごちゃしていると、モノをどかしながら行わなければいけないため掃除は大変面倒なのですが、すっきりした部屋では簡単に掃除ができます。汚れた箇所もすぐに見つけることができ、簡単にお掃除もできるため、これまでお掃除が嫌いだった人も、掃除が苦になりません。
そもそも断捨離って何?
「断捨離」とは、「必要のないものを断ち、捨てて、執着することから離れる」という意味をあらわす整理法のひとつ。この考え方は、女性の間でも大人気の「ヨガ」の考え方である「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」を応用したものではないかと考えられています。2010年にメディアで紹介され、それからたちまち注目を浴び、今では誰もが知る言葉となりました。
今までは、部屋を整理するときに、これは使える「もの」なのか、いらない「もの」なのかなどを考えていたと思います。しかし、断捨離というものの考え方はそれとは違ってきます。これは「自分」にとって「今」必要なものなのか。それを大切に、それを基準に判断していくことが大切になってくるようです。
また、今、自分に必要ないものを思い切って手放していくことで、部屋の中にゆとりが生まれ、気持ちや時間など、たくさんのもののゆとりにもつながると言われています。必要なもの以外を思い切って捨てていくことで、前向きに進んでいくことが出来るようです。
断捨離の提唱者
断捨離を一番初めに提唱したのは「やましたひでこ」さんです。この世でただ一人の「クラターコンサルタント」として活動しています。クラターコンサルタントはガラクタという意味の英語「clutter」から名付けられたもの。
「不要・不適・不快」なものを取り除くための助言やお手伝いをし、住まいと心のガラクタをコンサルティングする、というお仕事をされています。「断捨離」という言葉を世に広めてからは、セミナーや講演会で全国を飛び回る、超多忙なスケジュールをこなしているそう。
ちなみに「断捨離」という言葉と「クラターコンサルタント」という言葉は、やましたひでこさんが商標登録をしているため、商業目的、営業目的で使用することができない言葉です。そのため雑誌や広告では「断捨離」の「離」の言葉だけを変え、「断捨利」という言葉が使われる場合も多くあります。
やましたひでこオフィシャルブログ「断捨離」Powered by Ameba
断捨離のメリット6選
今使わないものは全部捨てていくなんて、それってもったいなくない…?部屋が散らかっているわけでもないし、一体何の意味があるの?と思った人も多いはず。
実は「断捨離」には、「部屋を綺麗にする」というだけでなく、ただのお掃除や整理整頓とは一線を引く様々なメリットがあるんです。まずは断捨離を行うことのメリットをご紹介していきます。
メリット1. 部屋が綺麗になる
第一に「もの」が少なくなることで、部屋が綺麗になるメリットが挙げられます。ただ部屋が片付くだけではなく、1つ1つのものと向き合って捨てるか残すかを決めていくことによって、なぜ今まで自分が片付けられなかったかをしっかりと理解することも出来ます。それが断捨離をすることのメリットです。
そして、断捨離ならではの考え方で「ものに執着することをやめる」というものがありますが、執着しませんので余計なものは買いませんし、もし入ってきてもとっておくことはありません。そうすることで、余分なものが改めて増えていってしまうこともありませんから、部屋が散らかることもありませんね。
メリット2. 掃除が楽になる
ものを整理してすっきりしたことにより、掃除が楽になります。必要なものだけになりましたので、どこに何があるかは自分がきちんと把握できています。
それに、必要ないものがありませんので、「片付け」というものがほぼ必要なくなります。今まで掃除に使っていた時間を、今度は違うことに活用できますので、色々なことに余裕が出来ますね。
メリット3. 前向きになる
断捨離の作業は大変ですが、一度断捨離をすると、自然に無駄なものを捨て必要なものだけを買うようになります。せっかくきれいになった空間に、必要ないものを置きたくはないですものね。無駄なものに囲まれるのはとても気分の嫌なことですよね。
逆に必要なものだけに囲まれていると、自然ととてもいい気分になります。断捨離を続けていくことで、自分の好きなもの、本当に必要なものだけが周りに増えていくことになりますので、前向きな気持ちになれますね。
断捨離とは、捨てることが目的ではないのです。捨てることによって出来る空間であったり、余裕であったり、そちらが大事なのです。大変な断捨離をしたからこそ得られるものはあります。ものへの執着をせず、きれいな空間でゆとりを持って暮らしていけたら素敵ですね。
メリット4. 人との距離感がうまく取れる
断捨離とはものに対しての事だけではなく、他にもいろいろなことに対応してくれるのです。たとえば、苦労している人も多いと思いますが、人間関係でも断捨離の考え方が使えます。今のあなたの周りにいる人達との関係を、いったん落ち着いて見直してみませんか。関係を整理してみませんか。
簡潔に言うと、今、あなたの周りにいる人との距離を確認して、その距離が適切かを考えてみましょうということです。あなたを不快な気分にさせる人を、無理に近くにおいてはいませんか?あなたにプラスに働く人と、離れてしまっていませんか?
完全に関係を断ち切りましょうという話ではなく、人には適した距離感があるので、無理して合わせるのではなく、1度確認して、適度な距離感にしてみましょう。そうすると、人間関係はとてもスムーズにいくようです。
また、モノが多い為にお掃除が行き届かず、普段誰かを自宅に招くことが嫌だと感じる方も多いのではないのでしょうか?いつもキレイにしている部屋なら、いつ来客を招いても恥ずかしくないので、自分から友人に声を掛けたり、人と交流する機会を増やすこともできますよね。人間関係を新たに構築していくきっかけにもなるというわけです。
メリット5. 貯金が増える
モノがたくさんあると、家に増えていくのは使わない価値のないモノばかりになってしまう傾向があるといいます。長く保管すると商品価値も下がっていきますし、さらに処分しようとすると処分費用もかかってしまいますよね。
断捨離によって自分の家にあった必要ないものが何なのかが分かるようになります。必要ないものが分かれば、もうそれを買うこともなくなります。必要ないものを買うという「無駄遣い」をしなくなって、その分を貯金できれば、貯金がどんどんたまりますね。
また、断捨離によって、「いらなくなったもの」を処分する時に、書籍や洋服、バッグなど、状態の良いものはインターネットや質屋などで売却することが可能です。それによって臨時収入が得られるといった、現実的なメリットもあります。
メリット6. 仕事能率がアップする
断捨離をすることで、自分の周りがすっきりします。周囲のものが減り、仕事の邪魔になるものがなくなれば、当然仕事に集中できますし、仕事の効率もアップしてきます。
そして、ものだけではなくて自分の考え方も断捨離することによって、余計なことを吸収することはなくなり、自分の今置かれている環境の中で1番必要な情報や知識だけを取り込もうとします。
また、自分の仕事机や身の回りのものが整理されると、今まで必要だった「モノを探す、モノの手入れをする、掃除をする」という時間も省けるようになります。モノを減らせば、減らすほどモノに関わる時間が減り、その分仕事、家事など本当に必要なことに時間をかけることが出来るようになるというわけです。
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断捨離が必要なもの
服
断捨離を行う上で何を捨てていけばいいのかわからない人も多いことでしょう。ここでは断捨離をするにおいて効果的なものをいくつか紹介していきたいと思います。
まずはじめに服が挙げられます。服は着ないものは全て処分するようにすることが大事です。服は部屋の中に不必要なほど数多く溜めこまれていることが最も多いものであると言えます。
特に女性やお洒落にこだわりが強い人達はつい普段着ない服をそのままにして貯め込んでしまっていることが多いのですが、そのような場合、服がどんどん見えないところで増えていってしまい、知らない間にどんどん部屋を窮屈にしてしまっているのです。そのため、断捨離を行う際にはまず服から行ってみるのがいいと考えらえます。
本
本も断捨離行う上では優先的に考えなければいけないものであると考えられます。本は一つ一つが非常に小さいので、ついつい読まない本まで処分せずほったらかしの状態にしてしまい、部屋の至る所に散乱状態になっていることが多いのです。そしてその一つ一つの本全体が部屋に占める割合を案外多いのです。
そのため、本の断捨離は全体の断捨離を成功させる上で大きな要素となってくるのです。いらない本は古本屋やリサイクルショップで積極的に売るようにして、家から余計な本は消すようにしましょう。
財布
財布は意外に溜まりやすいアイテムと言えます。そのため、家の至る所に使ってきた歴代の財布が残っている人は結構いるのではないでしょうか?財布は使っていた時の思い出を含むものであり、中々捨てることができないものなので、溜まりやすいのです。
しかし、使わない財布を溜めておくと金運が下がると言われており、運気を上げるために行う断捨離では絶対的に処分しなければいけないものなのです。思い出として残したいのであるならば、それを写真に撮っておくのが良いでしょう。
過去の予定帳
使っていない予定帳を家の中に溜め込んでしまっていことはありませんか?使っていないきれいな予定帳はいずれ使える機会が来るだろう、という気持ちで、ついつい使わず何年も家の中に溜め込んでしまう恐れがあるものなのです。
使わない過去の予定帳は持ち主を過去の時間にいつまでも縛り、未来への一歩を踏み出すことを邪魔してしまう恐れがあると言われています。そのため、過去の使っていない予定帳は断捨離で積極的に処分していきましょう。
使わない皿
使わないお皿が家に溜まっていることは非常によくあることです。今一度台所をチェックしてみてください。おそらく、ほこりをかぶったお皿が大量に出てくるのではないでしょうか?
このように使わないお皿が家に溜まっていくと使わないお皿の悪いオーラが、普段使っているお皿全体のオーラにまで浸透していき、それを使ってものを食べることでなんと金運が下がると言われているのです。そのため、本当に使うお皿だけを残して、使わないお皿は捨てましょう。
断捨離の始め方
様々な断捨離のメリットが分かったところで、「断捨離」はどのように進めていけば良いのでしょうか?「断捨離」の基本的な進めかたを、簡単にご紹介していきます。
ステップ1. 中身をすべて出し、確認してみる
始めに、断捨離する場所を決めましょう。いきなり部屋全体を断捨離するのは大変ですし、「モノを手放す感覚」をきちんと身につけるためには、モノができるだけ少ない場所から始めるのがオススメです。財布の中身や、いつも使っている机の引き出しなど、小さなものからで構いません。
そして断捨離する場所を決めたら、まずは全てのモノを出してみます。まず、大切なのは自分が持っているモノの量を把握すること。自分で持っていることさえ忘れてしまっていたようなモノが出てくるかもしれません。また、モノをすべて出すことによって、その場所が本来どのくらいのスペースだったのかを再確認することもできます。
ステップ2.中身を仕分けしてみる
全部出してしまった後は、仕分けに移ります。まずは今の自分にとって、「いるもの」「いらないもの」「はっきり分からないもの」の3種類に分けてみましょう。
コツとしては、今実際に使っている頻度で分けていくことだと思います。毎日使うもの、毎週使っているものは、もちろん「いるもの」に分類されますし、1ヶ月以上使っていなかったら「いらないもの」と判断して、思い切って捨ててしまいましょう。
そして全部仕分けが終わった後に、「はっきり分からないもの」を再度仕分けていきます。それを間隔をあけて何度か繰り返していきます。それを繰り返して、「はっきり分からないもの」を少しずつ減らしていきましょう。
ステップ3.思い切って処分していく
仕分けを終えたら、「いらないもの」をどんどん処分していきましょう。捨てるのも労力のいる作業ですが、捨てるまでが断捨離ですので、きちんと処分していきます。仕分けていったらどんどん捨てていきます。
「いらないもの」を処分する、と聞くと「ごみとして処分する」方法を一番に思い浮かべると思いますが、不用品の処分方法は「ごみとして処分する」だけではありません。
寄付をしたり、売却したり、形を変えて取っておくという選択肢もあるのです。現在では、不用品を買い取ってくるリサイクルショップも増え、出張買取をしてくれるサービスがあるところもあります。また、写真を撮ってインターネットにアップするだけで、簡単に全国から買い手を募集することも可能です。
ステップ4.そして増やさない
ここまで、いろいろ頑張ってやってきても、その後にまたものを増やしてしまったら全てが無駄になってしまいます。処分していくのは本当に労力が必要ですが、増やさないというのはそこまで大変ではありません。ものに執着しないのが断捨離ですから、必要ないものは買わないと決め、ものを増やさないようにしていきましょう。
断捨離を失敗させないコツ
文章で読んでいると、出して、仕分けて、処分する…。とシンプルな流れに見えますが、実際には一つ一つに思い出があるものばかりで、なかなか処分や仕分けが難しいですよね。断捨離中に問題に直面してしまった時、それを乗り越えるコツをご紹介します。
思い出の品を捨てるコツとは?
断捨離の「離」の部分である「過去の執着から離れる」というのも大事なプロセスではありますが、実際思い出の品を手放すのは、なかなか難しいですよね。
そのような場合は、データや写真にとって残すのも一つの方法です。電子化することで何冊にもわたっていたアルバムが、1枚のSDカードやCD-ROMに収まり場所をとらず、簡単に見返すことができるようになります。
最近は、BOOKSCAN(ブックスキャン)というサービスもあり、本や書籍もPDF化して、保存しておくことが可能です。こうしておけば場所をとらずに、収納スペースを圧迫することもありません。
捨てたいのに捨てられないものを捨てるコツ
断捨離でよく起こる悩みのひとつとして、1か月以上使うことがなく自分で「いらないもの」に分類したはずのものなのに、いざ処分する時になって捨てられずに困る…ということが挙げられます。そのものが捨てられない理由をあれこれ考え始めてしまって、捨てると決めたはずなのにそれをためらってしまうのです。
そうなってしまった時に、もう1度「断捨離」とはなんだったのか考えてみて下さい。いろいろなメリットを考えて、断捨離しようと決意したはずです。物への執着をなくし、必要なものに囲まれた生活をするために仕分けまでしたはずですよね。
大切なのは、取っておくことではなくて使うことです。使っていないから「いらないもの」に分類したわけですから、勇気を出して思いきることも必要です。大切なものが大切ではない物になるわけではありません。ただ、今の自分には必要ないなというだけです。しっかり見極めていきましょう。
ミニマリストとシンプリストの違い
ミニマリスト、シンプリストと言われる人達が断捨離ブームの影響を受けてかどうかはわかりませんが増えてきているようです。このような人達は一般的にものを持たない、あるいはあまり持たないという特徴があります。特に、自分が生活する場における家などには、その傾向が非常に強いと言えます。
この両者はよく一緒の者として混同されるのですが、両者には考え方における決定的な違いがあるようです。シンプリストの場合、自分が持つものをどれだけシンプルにまとめることできるかという所に力点を置いていて、物の数を制限することにはあまりこだわりが無いようです。(それでも普通の人から見れば、ものの数が十分少ないように見える)
そのため、記憶に残るような捨てたくないものは捨てないという考え方を持っているのも特徴と言えます。それに対してミニマリストはとにかくものの数にこだわりを持つ傾向があります。ものをどれだけ必要最低限にできるかということに力点を置いている彼らは、シンプリスト達が捨てたくないと考えている、記憶に残るものでさえも断固として捨てる傾向があるのです。
彼らからすると、記憶は頭の中に残しておけばいいというものだそうです。そのため、断捨離の基本理念に近い考えを持っているのは、このミニマリストの方と言えるでしょう。
まとめ
今では誰もが聞いたことのある言葉となっている「断捨離」。今回は断捨離の本質とやり方、そして断捨離をスムーズに進めるコツをご紹介しました。自分の身の回りをスッキリさせると、心もスッキリしますよね。部屋の断捨離を少しずつ初めて、好きなものに囲まれたシンプルな空間を、ぜひ作ってみませんか?