CAMPFIRE(キャンプファイヤー)というクラウドファンディングを経由してある人を支援しましたが、トラブル炎上を経験し、様々な問題点が浮き彫りになりました。これから支援しようとする人はどんな注意点があるのか知ってほしく、デメリットや問題点をまとめました。
- クラウドファンディングとは
- 支援したプロジェクトの経緯と顛末
- 知っておくべきキャンプファイヤーの利用規約
- クラウドファンディングの注意点
- バックレ防止におススメの対応策
- クラウドファンディング保険について
- まとめ
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。クラウドファンディングは幅広い分野への出資に活用されている。
引用:Wikipedia
日本国内だけでも日本最大級の『READYFOR(レディーフォー)』や、購入型クラウドファンディング『ENjiNE(エンジン)』やスポーツ特化型クラウドファンディング『スポチュニティ』など様々なタイプが20~30サイトはあると思います。
出資と聞くと一部のお金持ちがスポンサーになるイメージですが、最近では個人でも気軽に募集することができ、個人が個人に対して気軽に出資できるようになりました。
今回はその中のCAMPFIRE(キャンプファイヤー)というクラウドファンディングで私が実際に出資者(パトロン)になった話です。家入一真氏が代表取締役の有名な会社で、クラウドファンディング業界の中でも比較的有名なサイトです。
キャンプファイヤーは音楽やアート、プロダクト、写真、映画などカルチャー系に強いと言われており、1万円から募ることが出来る為、個人で出資者を募っている人も多いサイトです。実際に私が支援した人も法人企業ではなく個人です。
支援したプロジェクトの経緯と顛末
支援者の名前は伏せますが、あるネットで少しだけ話題になった人がキャンプファイヤーで募集することになって、それを知った私は応援したい気持ちになり、5千円を支援させていただきました。一般的には起業支援型や開業支援型が多いですが、その方は「お金に困っているから支援してくれ」というタイプになると思います。
リターン内容としては半年後に直筆の御礼の手紙など簡単なモノ(少し違いますが詳細は伏せます)です。リターンは支援から半年後という長い期間でした。半年も必要なリターンではなかったものの、それは相手が決めて、それに私は納得して支援しました。
リターン予定日を過ぎても何の反応もない…
ところが半年後のリターン予定日(2017年3月末)から2週間が過ぎても何も届かないし何も連絡がない。おかしいと思ってキャンプファイヤー経由で質問したところ、「引っ越しが忙しくて手がつけられませんでした」という返事がきました。
理由も理由ですが、私が支援した人は「遅れます」という連絡すら出来ない人で、ガッカリしました。支援した人は社会人を経験しているので(まぁ最低限のマナーは理解しているだろうし大丈夫だろう)と安易に考えていた私のミスです。
私としては事前通知してくれれば全然遅れても問題ありませんし、たかが5千円程度で騒ぎたくはないのですが、一応はスポンサーなので最低限の報告・連絡・相談はしてほしかったです。このときに(ヤバい。失敗したな)と後悔しましたが、返金ができないので私には待つしかありません。
そして、リターン予定日の翌月末(2回目の約束の納期は4月中旬でしたが4月末まで待ちました)を過ぎてもリターンは郵送されず、連絡もないのが今です。マジで後悔中…。
知っておくべきキャンプファイヤーの利用規約
私も色々調べましたが、後悔しても後の祭り。キャンプファイヤーは出資者が圧倒的に不利なことがわかりました。キャンプファイヤーの利用規約を抜粋します。
本サービスは、会員が、プロジェクトオーナーまたはパトロンとして取引を行う場を提供するものであり、会員に対して、プロジェクトが予定通り実行されることを保証するものではありません」-第13条1項-
「プロジェクトが実行されなくても知りません」と書かれていました。
本サービスに関連して、プロジェクトオーナーとパトロンの間を含む、会員同士の間で生じたトラブルに関しては、会員の責任において処理および解決するものとし、当社はかかる事項について一切責任を負わないものとします。-第13条2項 -
「揉めても当事者間で解決してください」と書かれていました。
クラウドファンディングの注意点
1.知らない相手への支援
私の場合は住所も連絡先も知らない相手を支援したことになりますが、これが失敗の原因だったと反省しています。多くの人が相手に会ったこともないまま支援していると思いますが、クラウドファンディングは会ったこともない人を支援する危険なサービスという本質を理解しておくべき。
トラブルになって初めて「会ったこともない人を支援する」のは無謀ということに気づきました。約束をしっかり守る人なのか、支援に値する人なのか、本人の性格を理解・見極めないまま金銭を支援した私に落ち度がありました。
2.プラットフォームの利用規約
基礎中の基礎ですが、どこかのサイトを利用する際は利用規約をしっかり読んでおくことをおススメします。
もしかすると他はトラブル回避の仕組みが構築されているかもしれませんが、運営企業側の運営リスクを回避するためにどこも同じような内容ではないかと予想されます。
3.出資者(パトロン)が圧倒的に不利
キャンプファイヤーに関しては出資者(パトロン)が圧倒的に不利な立場になります。「1.名前や住所や連絡先も知らせず募集できる」と「2.プラットフォーム側が関与しない」ことから、1千万円を集めてバックレても出資者(パトロン)はどうすることもできません。法的手段に訴えたくても相手側の情報がないため難しいです。(もし法的手段をとるなら、まずキャンプファイヤー側に情報開示を求める必要がある。)
直接サイト運営会社に電話で相談してみましたが「支援する側が支援される側と連絡がとれなくなったら、運営会社側からも募集を募った人(プロジェクトを立ち上げた人)に連絡を試みる」とのことでした。ただプロジェクトオーナーがキャンプファイヤーからの連絡を無視すれば彼らも成す術はないと思います。そもそも運営元は仲介手数料で運営しており損をしていないので、どこまで本気で対応するかは疑問が残ります。
バックレ防止におススメの対応策
実行者のバックレが不安な人は支援する際に条件(連絡先や住所など個人情報の開示)を付けることをおススメします。支援する金額次第では最悪のケースを想定して「法廷闘争の準備」をするべきではないでしょうか。もしくは「お前の住所を抑えているぞ」とバックレの防止にも繋がります。
「そこまでする必要ある?」と個人情報を嫌がる人もいると思いますが、最終的に逃げられるリスクがあるので、不安な人は聞いておいて損はありません。教えてくれないなら支援を避けるという選択肢も出てきます。ただ、そこまで不安がるなら支援しないことが一番です。
クラウドファンディング保険について
保険が適用された場合、支援金の80%を上限とし返金される制度を2017年3月から運用開始されているようです。
内容を拝見すると申請書の提出が必要であり、その後も保険適用に関する審査があるようです。仮に申請が通過しても、上限80%と書かれており、80%返金が保証されているわけではありません。
クラウドファンディング保険の提供について
https://mag.camp-fire.jp/news/news-19616/
まとめ
今回のトラブルで個人的には「詐欺にあった」「騙された」という気持ちになりました。もちろん私にも安易に支援してしまった落ち度があります。1円でも支援する以上は取引になります。
取引に重要なのは相手との信頼関係であり、何も信頼関係がないまま契約してしまったのは私の反省点です。たかが5千円ですので勉強代と割り切ることもできますが、されど5千円。同じように後悔する人が増えないように記事にまとめました。
今回のトラブルで学んだのはクラウドファンディングを利用するなら「リターンはもらえなくても当然」くらいの気持ちで支援しなければいけないことです。
もしくは「リターンがないときに損を感じる金額は支援しない」ことが大切だと感じました。あしながおじさんではありませんが、「クラウドファンディングは裕福な人がやるサービス」だなと思いました。
もちろんクラウドファンディングでちゃんとリターンをしている方も多いと思いますし、クラウドファンディングという資金調達の方法が広がることは素晴らしいと思います。
ただ今回のようにトラブル事例は理解しておいたほうが事故が起きた時のダメージは少ないですし、事前防止も可能になります。キャンプファイヤーの問題というよりクラウドファンディングの構造的な問題を学びました。