いびきの治療方法は5つ!実は首の脂肪や飲酒が原因?日常生活で出来る解決方法

自分ではなかなか気づことが難しいいびき。ですが、いびきは身近な人に大きな迷惑をかけていることも多いですから、きちんと治すことはとても大切です。いびきはきちんと原因をすることで治療することが出来ますし、日常生活の中でも少し工夫をすることで解消することが出来ます。いびきについてしっかりと知識をつけて、いびきの悩みを解消してしまいましょう。

いびき治療について

いびきは、あらゆる年代において生じる可能性があり、性別に関係なく起こります。結婚前の女性が、母親に連れられて病院を受診するケースもありますし、新婚の夫婦が旦那のいびきを心配して、病院を受診するケースもあります。

また50歳過ぎの男性でいびきが悪化したことにより、一緒に寝ている妻がいびきに耐えきれなくなって、病院を受診するというケースも少なくありません。

いびきは、本人に自覚がないことも多いですが、パートナーに迷惑をかけたくないという気持ちや、自分のいびきにより眠れなくなり、睡眠時間が不足してしまうことから、治療を決心したという人もいます。

いびきの原因は様々あるため、その治療法も原因に合わせて異なります。そのため、いびきを自覚したら、原因を突き止めるためにも、まずは病院を受診していびきの原因を特定し、きちんと症状に合わせた対応を取ることがとても大切なのです。

また、いびきは睡眠時無呼吸症候群という病気に繋がるリスクもあります。健康を維持し、いつまでも元気で過ごすためにも、しっかりといびき対策を行うようにしてくださいね。

いびきの原因・6つ

1.舌根沈下

舌根沈下とは、舌が喉の奥の方へと移動してしまうことを言います。口を開けると、舌は自然と喉の方へと移動していきますよね。寝ている時に口が開いて口呼吸になっている人は、この舌根沈下が起こりやすい状態になっているため、いびきを起こしてしまうことがあります。

特に仰向けで寝る習慣のある人では、舌根沈下に気をつける必要があります。仰向けに寝て、さらに口が開いていると、舌は喉の奥の方へ下がっていきます。すると、空気の通り道を塞いでしまうために息が詰まります。

この状態で、無理やり息を吸おうとするために空気が振動して、いびき音が発生することになるのです。この状態は、実は非常に危険なもので、空気を通る気道が十分に確保されていないため、窒息状態になることもありますし、症状が悪化すると、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあります。

2.首まわりの脂肪

いびきの原因として、最も多いと言われているのが肥満です。肥満により、首回りや舌に脂肪が蓄積してくると、気道が狭くなり空気の流れに障害が出るようになります。

日中は何でもなくても、夜の睡眠中には、肥えた舌がその重みで喉の奥に落ち込んでしまうため、ただでさえ狭い気道がさらに狭くなり、いびきをかきやすくなってしまうのです。

また、首回りの脂肪は一見太っていなくても、運動不足などにより蓄積していることがあります。特に体は太っていないけれど、二重アゴである人は要注意。二重アゴになるのは、舌を支える筋肉や首を覆う筋肉などが衰えて、筋力低下していることに原因があります。

舌を支える筋肉の衰えは、睡眠中の舌の喉の奥への落ち込みを招き、気道を狭めていびきの原因を作ります。二重アゴは確認しやすいポイントですから、いびきの指摘を受けたら、まず首回りの脂肪が付いていないか、確認してみてくださいね。

3.骨格

女性のいびきの原因として多いのが、この骨格によるものです。顎の骨格が小さくて細く、下顎が上顎よりも引っ込んでいるような骨格の場合、いびきが起こりやすくなるとされています。その理由は、寝ている時に舌が顎の中に収まりきらないから。すると、舌根沈下の状態を起こしやすくなり、いびきを発生させてしまうのです。

この骨格は、現代人において増えてきていると言われており、原因としては、遺伝や食生活の変化が挙げられています。特に食生活において、あまり噛まなくてものみ込めるような、柔らかいものばかりを食べていると、顎が退化して次第に顎が小さくなるとされています。

4.疲れやストレス

肉体疲労やストレスが蓄積してくると、人間の体は自然とより多くの酸素を取り込もうとするため、普段は鼻呼吸の人でも、口呼吸を行う割合が増えてきます。口呼吸は、いびきの大きな原因の1つでもありますよね。

また、疲労が溜まると上気道の筋肉が緩んできます。すると、舌根沈下を起こしやすい状態になるため、いびきをかきやすくなってしまうのです。

ただ、疲労やストレスによるいびきは、誰にでも起こり得る症状で、一時的なものである場合が多いですから、あまり心配する必要はありません。もし、疲れやストレスが解消されているのに、いびきが続く場合には、別の原因によっていびきが引き起こされていることを疑いましょう。

5.睡眠薬の服用

いびきの原因として、あまり知られていないのが、睡眠薬の服用です。夜あまり眠れない人や精神的に不安定な人では、睡眠薬や精神安定剤を服用することもありますよね。

ですが、これらの薬剤には筋弛緩作用があるため、舌根沈下を起こしやすく、いびきの原因になってしまうことがあるのです。いびきの状態があまり酷くないようでしたら問題ありませんが、酷いいびきをかいてしまう場合は、睡眠薬の使用が眠りの質を下げてしまっている可能性があります。

睡眠薬の中には、いびきをかきにくい物もありますので、もしいびきが気になる場合には、睡眠薬を処方してもらっている医師に相談するようにしてくださいね。

6.飲酒

普段は、ほとんどいびきが気にならない人であっても、アルコールをたくさん飲んだ日の夜には、酷いいびきをかいてしまうことがあります。いびきの程度には個人差がありますが、一般的にはアルコールの量に比例して、いびきを悪化するとされています。

これは、アルコールが持つ筋弛緩作用に原因があります。アルコールをたくさん飲むと、舌や咽頭の筋肉が緩んで、上気道を狭めてしまうために、いびきが生じやすくなるのです。

また、アルコールを飲むと血行が促進されます。すると鼻腔の血管が膨張して、鼻腔粘膜が腫れたような状態になります。この状態になると、鼻づまりが起こりやすくなるために気道が狭まり、いびきを起こしやすくなってしまいます。

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いびきが引き起こす病気

睡眠時無呼吸症候群

いびきには2種類あり、1つは単純性いびき。これは鼻づまりや疲労などによる一時的ないびきで、いびきの原因を解消することで、いびきも改善されます。

もう1つは慢性的にいびきがあり、一緒に寝ている人の睡眠を阻害するほどの大きないびき。このようないびきは、睡眠時無呼吸を伴うことが多く、放置していると症状はどんどん悪化して、様々な合併症を引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中の呼吸停止(無呼吸)や止まりかけの状態(低呼吸)が、一晩のうちに何度も繰り返される病気のことを言います。呼吸が停止するたびに脳が短時間覚醒するために、眠りが浅くなり、様々な症状を引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群の症状は、寝ている間だけに生じるものではありません。下記に、代表的な症状を紹介しますので、ご自身に当てはまるものがないか、確認してみてくださいね。

<寝ている間の症状> ・いびき ・いびきが突然止まり、その後大きな呼吸と共にいびきが再開される ・呼吸停止 ・呼吸の乱れや息苦しさ ・むせる ・寝汗 ・夜に何度も目が覚める

<起床時の症状> ・口の渇き ・ズキズキするような頭痛 ・寝た気がしない ・目覚めがすっきりしない ・疲労感

<日中の症状> ・四六時中、強い眠気を感じる ・だるさや倦怠感、疲労感を常に感じている ・集中力が持続しない

いかがでしたでしょうか。上記の項目に当てはまるものが多いほど、無呼吸症候群である可能性が高くなります。心当たりのある人は、一度病院で相談するようにしてみてくださいね。

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病院でのいびきの治療方法・5つ

1.レーザー治療

レーザーにより、喉の奥の部分を焼き切り、空気の通り道を広げるという手術法です。レーザー治療による手術は、手術時間が10分~15分と短く日帰りも可能なため、体の負担が少ないことが特徴的です。また、費用も3万円ほど比較的低額で済みます。

ただ、手術は全身麻酔ではなく局所麻酔で行われるため、ある程度の痛みは感じることになります。また、手術中は常に喉の奥が見えるよう、口を大きく開き続けていなければならないため、手術中に吐き気を感じることがあります。

レーザー治療は手術自体は短いのですが、術後1週間~2週間程度は手術の影響が残ります。喉が火傷したような状態になっているため、飲食の際に強い痛みを生じることがほとんどです。

仕事などに影響が出ることも多いですから、手術翌日は出来れば安静にしておけるよう事前にスケジュールを調整しておくようにしてください。

また、レーザー手術は、18歳未満の子供には行っていない病院が多いです。もし子供のいびき治療を検討している場合には、別の治療法を医師と相談するようにしてくださいね。

2.コブレーション

コブレーションは、低温双極高周波を用いて、いびきの原因となる軟口蓋の形態や厚みを変えて、閉塞や狭窄を起こりにくくする手術方法です。手術は局所麻酔により行われ、手術時間は20分ほどです。術後の痛みも軽いため、日帰り手術を行っている病院も多いようです。

3.マウスピース

下顎が上顎よりも前に出るように固定することで、上気道が狭くなるのを抑制していびきを改善します。作成の際は、マウスピースの形成に慣れている、歯科医に相談するのがオススメです。

マウスピースは、つけて寝るだけでいびきの改善効果が見られる、お手軽な方法ですが、全ての人に効果が出るとは限らない方法です。また、重症の睡眠時無呼吸症候群を伴う人では、効果が出にくいことが分かっていますので、事前にきちんと医師と相談するようにしてください。

また、マウスピースは、症状により保険診療の適用にならない場合もあります。費用面も合わせて医師に相談するようにしておくと、安心して治療を受けることが出来ますね。

4.CPAP療法

CPAP療法とは、睡眠時に酸素マスクのようなものを鼻にあてて、装置から送り込まれる空気の圧力により、気道を広げる治療方法です。「マスクなんてつけっぱなしでは眠れない」という声も聞こえますが、数週間もすれば、気にならなくなる場合が多いと言われています。

CPAP療法は、使用開始1日目から効果が出るところに最大の特徴があります。睡眠時の無呼吸状態が大幅に軽減されるため、深い睡眠を得ることでき、治療への満足度も非常に高い治療方法です。

CPAPの装置は、購入することも可能ですが、レンタルして使用される人が多い傾向にあります。そのレンタル費用は、保険適用の有無で大きく変わり、保険適用がある場合で約5,000円/月、ない場合で約15,000円/月が目安となります。

保険適用の有無は、症状によって異なりますから、医師にしっかりと確認しておくようにしてください。また、購入する場合は、20万円~30万円ほどかかることが多いです。CPAPは、症状によっては効果が出ないこともあるため、可能であればレンタルすることをお勧めします。

5.高周波ラジオ波治療

高周波ラジオ波による手術は、コンピューターで針先の熱を微妙に加減しつつ、口蓋扁桃の肥大部分を凝固させて縮小させ、気道を確保していびきを改善させるという手術方法です。

高周波ラジオ波による手術は、手術時間も短く、手術中や術後の痛みがほとんどないため、日帰りでの手術が可能です。また、手術費用も3割負担の場合で10,000円ほどと、比較的低コストで行うことが出来ますので、ちょっといびきがきになるという人でも、手軽に受けやすい治療法と言えます。

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普段から出来るいびき解消法・7つ

1.呼吸は鼻でする

口呼吸は、鼻呼吸よりも咽頭が狭くなるため、上気道が閉塞しやすい状態になりがちです。朝起きた時に、口が酷く渇いているなどの症状がある人は、寝ている間に口呼吸になっている可能性が高いですから、意識して口呼吸を治すようにしていきましょう。

口呼吸を治すためには、日中から意識して鼻呼吸をするようにしたり、寝ている間は口にテープを貼って、鼻呼吸を促したりといった方法が有効です。口にテープを貼る場合、セロテープを使用すると、唇の荒れの原因となりますから、ドラッグストアなどに売られている、マウステープなどを活用するようにしてくださいね。

2.仰向けで寝ない

普段、仰向けで寝る習慣のある人は、横向きで寝るようにすると、いびきが軽減されることがあります。仰向けで寝ると、どうしても舌の付け根が重力で喉の奥に落ちやすくなるため、上気道を狭めていびきの原因になってしまいます。

横向きで寝ることで、舌は左右どちらかの下になっている方に片寄ります。そのため、上気道を塞ぐことがなくなって、空気の通り道が確保され、いびきが改善されるのです。

仰向けで寝ることが癖になっていて、横向きでは落ち着いて眠れないという人は、枕の片方にタオルを入れて、自然と体が斜めになるようにしたり、抱き枕を使用するなどして工夫すると、横向きで眠りやすくなります。ぜひ試してみてくださいね。

3.首回りの脂肪を減らす

肥満により首回りに脂肪がつくと、いびきの原因となります。そのため、首回りの脂肪を出来るだけ取り除くことが、いびきの解消に繋がりますが、この部分の脂肪は、外科手術などでは取り除くことが出来ないため、ダイエットに取り組んで、脂肪を減らしていく必要があります。

ダイエットのポイントは、何と言っても食生活を改善し、運動の習慣をつけることにあります。普段から糖質や脂質の多い食べ物を食べる機会が多いのであれば、少し控えるようにして、代わりに野菜を増やすようにしましょう。

野菜は、カロリーが低い割に体積が大きいため空腹感が満たされますし、食事の際に、ご飯や肉類よりも先に野菜を食べるようにすると、お腹が膨れて自然と食べる量が減っていきます。

また、運動は行うのは簡単ですが、それを継続するのは簡単ではありません。普段運動の習慣がない人では、特にちょっと理由をつけてサボりがちになってしまいますから、無理なメニューを組まずに、自分で継続出来ることから少しずつ始めていきましょう。

最初は、ストレッチや散歩などの簡単なものから始めて、体が慣れてきたら、少しずつ運動強度の強い運動を取り入れていくのがオススメです。

4.寝酒の習慣をなくす

寝る前に、お酒を飲むと寝付きが良くなるという理由から、寝る前のお酒を習慣にしている人もいるかもしれませんが、睡眠の質という観点から考えると、あまりお勧め出来る習慣ではありません。

お酒を飲むといびきの原因になるだけではなく、睡眠サイクルのリズムが乱れて、浅い眠りになってしまいがちです。睡眠の質が低下すると体の疲労も抜けず、健康に影響を及ぼすこともあります。お酒を睡眠誘導剤として使用するのは、控えるようにしてみてくださいね。

5.枕や布団を変えてみる

現在使用している寝具を変えてみると、いびきが改善されることがあります。いびきの原因が分からないという人は、下記の寝具の選び方を参考に、寝具を変えてみることも検討してみてくださいね。

(1)枕の選び方

枕が高すぎたり、柔らかすぎたりすると、いびきの原因になることがあります。枕を少し低めのものや硬めのものに変えると、いびきが軽減されることがありますから、ぜひ試してみてください。

オススメの枕は低反発素材。首を自然な形で支えてくれますので、気道が確保されて、いびきが軽減されることが多いようです。

(2)布団の選び方

柔らかくてふわふわな布団は、横になると気持ちが良いですから、愛用している人もいるかもしれませんね。ですが、柔らかすぎる布団は、いびきの原因となることがありますから、注意してください。

オススメの布団は、枕と同様に低反発素材のもの。誰でも最適な姿勢で眠ることが出来るようになりますので、いびきに悩まれている人は、ぜひ検討してみてください。

6.ストレスを解消する

ストレスは自律神経の乱れを引き起こします。すると寝ている間の呼吸が浅くなり、脳に酸素がうまく行き渡らなくなるので、体は酸素をたくさん吸い込もうとして口呼吸になってしまうそうです。

口呼吸はいびきの大きな原因ですから、それを引き起こすストレスを溜めないことが大切です。ゆっくりお風呂に入る、好きなことに没頭するなど、自分に合った方法で、日々のストレスをしっかり解消するようにしましょう。

7.いびき改善トレーニングを行う

いびきの原因は、口呼吸にあることがあります。そのため、鼻呼吸が出来るようになるトレーニングを行うことで、改善される場合があるのです。

鼻呼吸を促すトレーニングとしてオススメなのが、「あいうべ体操」と呼ばれるものです。口周りの筋肉と、舌を突き出す筋肉を鍛える効果があるため、続けることで自然と口を閉じて、鼻呼吸を行うことが出来るようになります。

やり方はとても簡単。まず、口を楕円形に開いて喉の奥が見える程度まで大きく開き、「あ〜」と声を出しましょう。次に、首の筋が出るくらいまで口をぐっと横に開いて、「い〜」と言います。「う〜」は唇を前に尖らせるようなイメージで、最後に「べ〜」は、舌を思いっきり前に出して行うようにします。

「あいうべ」を1セットとして、1日に30セットを2回~3回に分けて行いましょう。慣れてきたら、もう少し回数を増やすようにしてもOKです。

まとめ

いびきの原因や治療について紹介させて頂きました。いびきの原因は人によって様々ですから、その治療法も人によって異なります。いびきの治療に本腰を入れて取り組もうと考えたら、まずはしっかりと病院を受診して、自分の症状に合わせた治療を受けるようにしてください。

また、いびきを放置して悪化してしまうと、睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうリスクが増加します。睡眠時無呼吸症候群は、日常生活にも支障をきたす疾患ですから、出来れば発症前に、いびきをきちんと治療するようにしてください。

いびきは自分に悪い影響を与えるだけではなく、周囲の人の睡眠妨害となるリスクも非常に大きい症状です。セルフケアを行ってもなかなか改善しない時は、思い切って病院を受診してみてくださいね。最近は効果の高い治療法もありますから、自分で考えていた以上の効果を得ることが出来るはずですよ。