【式の前日】感想ネタバレあらすじまとめ

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【式の前日】感想ネタバレあらすじのまとめです。結末もあります。

式の前日 (フラワーコミックス)

式の前日 (フラワーコミックス)

 

あらすじ

”ふたりきり”ー。それは、この世でもっとも切なく、最も尊い宝物。表題作【式の前日】ほか5編を収録した、珠玉の”泣ける”読み切り短編集。叙情と憧憬を鮮やかに紡ぐ俊英、ここにデビュー!

目次

『式の前日』
『あずさ2号で再開』
『モノクロ兄弟』
『夢見るかかし(前編)』
『夢見るかかし(後編)』
『10月の箱庭』
『それから』

感想ストーリー(ネタバレ&結末含む)

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「このマンガがすごい! 2013・オンナ編」で第2位に輝いた、穂積さんの初の作品集です。この『式の前日』は、Twitterやまとめサイトなど、ネットを通じた口コミで評判が広がった話題作。オムニバス形式の短編集ですが、どのストーリーにも、日常の、ほんわかとした温かさがあります。結婚をひかえた男と女、ワケありな親子、双子の兄弟、小説家と親戚の女子中学生、飼い猫と飼い主…。短編集には、様々な「2人組」が登場します。

【式の前日】

2人の男女が一緒の家に住んでいる。女は翌日に結婚式があるみたいだ。明るい女性と気怠そうに振舞う社会人3年目の男は、とても仲がよさそうだ。「あっちのが二の腕細く見えた気がする」「かわんねーよ」「寸胴に見えない?」「かわんねーよ」「ちゃんとキレー?」のセリフに顔を背ける。

すでに女の両親は他界している。女は男に今日は一緒に寝ようと提案する。「手つないで寝てい?」「今日はずいぶん素直なのね」「・・・泣いてんじゃん?」「泣くとブスになるよ明日」「・・・うっさいバカ」一緒に居る女に、式の前日に伝えたいこととは。

 

(仕事も大体安定してきた)
(父母は俺が十一歳の時、交通事故で先だった)
(その二人に代わり俺を育ててくれた)
(八つ違いの姉が)
(今日、結婚する)

 

「さあて、歩いてやりますかー。ヴァージンロード」

最初はカップルかと思いましたが、最後に兄弟であることが明かされました。

あずさ2号で再会

8月のある日。家で1人で留守番をしている女の子のところに女の子の父親が訪れる。「元旦那がそんな信用できねーもんかな」「だっておとうさん『タバコ買ってくる』って言ってそのままもう家帰ってこなかったし」。

「その言い方あいつそっくり」父親に小言を言う娘と母に似てきたと苦笑する父親。「また来年な」やがて父親は家を後にする。母親が帰ってきて娘は父親と洗濯物を干した事を告げる。「去年ひとりで動物園行っちゃったりさぁ」それに母親は何を言っているのと不思議がる。

机の上には父親の写真と線香。「私のお父さんとは一年に一度しか逢えない」「お盆にしか逢えない」男はすでに死んでいてお盆の1日だけ娘のところに会いに来ていたのだ。最期のワンシーンには茄子に「あずさ2号」と書かれている。

夢見るかかし

母親に捨てられた兄妹、ジャックとベティ。兄妹の母を憎む伯父と意地の悪い義兄弟から冷たい仕打ちを受けジャックにはベティを守る事だけが生きがいだった。「この広い世界の中で俺たちの居場所はここだけだった」ベティは寂しさのあまり畑のかかしをママと呼び今でもその癖は直っていない。「壊れたラジオを修理してよくこのかかしのそばえ夜を過ごした」

やがて兄妹は成長し、兄は女遊びをするようになり妹は美しく成長して恋をするようになる。「あいつの家族は俺だけだ。俺以外の味方なんて必要ない。いつかベティを連れてこんな町 出ていく」しかし、ベティが自分から離れる事を耐えられなかった兄はその現実から逃げるように故郷を捨て都会へと逃げる。「永遠に変わらないものなんて何もなかった」「ベティが俺が見たこともない笑顔をその男に向けたあの日の夜」「俺は一人この町を出た」

数年後、誰が送ったのかベティが結婚するという便りを受けてジャックはベティの結婚式に参加する。ベティが自分の結婚式を“母”に見てほしいとジャックにかかしを連れてくるように頼む。かかしを連れてきたジャックの目に今まで見たことないベティの笑顔が映る。「口を開けば「お願い お願い」。そのくせ結局ひとりで幸せを見つけやがって」「こっちはたまったもんじゃねえよ」「とっとと幸せになっちまえ」嬉しそうな兄。それを見てようやく妹の幸せを素直に祝福できたジャックの耳にどこからともかく声が届いた。“今度はあなたの番よ”手紙の送り主は結局わからない。だが、それはもしかしたら……。

10月の箱庭

しがない小説家の篠田和徳は烏の夢を見る。烏の夢にうなされている篠田と彼の面倒を見る少女。親戚に世話を頼まれたというが、篠田は少女の名前がどうしても思い出せない。「当たり前だよな。だって俺は元々お前の名前なんか知らないんだ」。

「生きている間はそのほとんどを私は一人で過ごした」「ひとりで大空を飛び回り、ひとり、あそこから世界を眺めるのが好きだった」少女の正体は篠田の夢に出てきた烏で、死の間際に寂しさを覚えた烏が少女に憑いていた。「誰かに愛されようとしなくてもいい」「まずはあんたが誰かを愛せばいい」烏へのはなむけとして篠田は小説を書く。これまでの自分の体験談を綴ったその小説は出版社の担当からも高評価の模様。ーーータイトルは『10月の箱庭』 。

それから

『式の前日』の後日談。2年後の話です。「先日男に拾われた。」から始まる猫が主眼の物語ーーー。男の家に電話が入る。「絵里ちゃんが救急車で運ばれたんだ!」(ー電話の主は男の義兄。絵里とはたしか男の姉の名。だったか・・・?)

 

どうやら慌ただしい急事の様子。猫は主人に鳴き声で伝えるが全く伝わっていない(そりゃそうだ。)俊明はメッセージに気付かず、テレビを見て酒を飲んでいた。さいど電話が鳴る。元気な女の子が産まれたと。救急車というのが事件や事故ではなく、出産のための救急車ということが明かされます。『人間は不可解である』と最後まで猫視点で語られた話。

まとめ

若い人に読んでもらいたいというよりかは、30代以上の世代に読んでもらいたい本です。懐かしくもあり、切なくもある。どこか共感のできる一冊。個人的に好きな雰囲気の内容と絵です。

 

ネットではありきたりと言われていますが、私は終盤のサプライズには驚かされました。「そうきたか!」みたいな感じで、読んでいて楽しかったです。ちょっぴり羨ましくもなる。私はどの話も好きですが、やっぱり「式の前日」が一番好きです。エピローグもおススメ。ずっと手元に置いておきたい一冊です。

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