『世界の終わりの歩き方』(松田元)を読んだ感想評価ネタバレ

アズ株式会社創業者の松田元さんが3冊目の本を出版されました。アズ株式会社とは完全成果報酬型の営業代行会社で、「アポハンター」と呼ばれるアポ獲得代行サービスや新卒営業マン向け研修サービスを展開している営業代行会社として有名な会社です。

著書の松田さんは経営者、投資家、教育者、執筆家など幅広い活躍をされています。その松田さんの3冊目の出版記念として、過去最高傑作と本人が語っている本がどのような本なのか、本のあらすじや感想レビューをまとめました。

※本のネタバレ含みます。

世界の終わりの歩き方

世界の終わりの歩き方

世界の終わりの歩き方

  • 作者:松田元
  • 発売日: 2016/04/22
  • メディア: Kindle版
 

「全ては終わった、さあどう生きる?」

不安定な世界情勢の中、「世界の終わり」を感じて生きる新世代に向けての攻略本的「生き方指南書」。<終わりの始まり>ともいえる1995年からの失われた20年を紐解き、あらゆる破たんと欺瞞を提示、現代を不安に打ち克ち生き抜くためのサバイバルゲームと定義づける。

どんな武器を身に着け、どんな意識で行動すべきか。30代前半にして経営者・投資家としてメディアでも活躍する傍ら、多くのセミナーや大学講師を務める松田元が、今を生き抜くための9テーマを扇情的なフレーズで叩き切る、新世代のための“破壊と再生”のバイブル。

書店で見たら、ゲーム攻略本と間違えて買う人がいそうな表紙です(笑)

感想あらすじ評価

政治、国家、経済、平和、労働、家族、倫理、SEX、ヒトの9つのテーマに沿って、それぞれの世界で起きている状況を分析し、いかに「世界が終わっている」かが書かれていました。様々なテーマに分かれていますが、決して内容が薄いわけではなく、むしろかなり濃いです。

例えば第6章の「家族のオワリ」では『国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」から~~~日本人の2014年の平均年収は約415万円。

1997年の約467万円と比較すると52万円も下がっていて、月収換算では4万3000円も低い状態』という文章があります。

第4章の「平和のオワリ」では、2014年文部科学省の有識者会議メンバーの前原金一・経済同友会専務理事が、奨学金辺返済が話題に上った検討会での発言を引用しています。

主観的な意見ではなく、膨大な統計データを根拠にした論説を展開していて、説得力がある解説になっています。あらゆるニュースを見てないと、この本って書けないと思う内容が沢山ありまして、情報収集力にも感嘆しましたが、1400円で解説付きでまとめてくれている「本」という存在の有難みも改めて感じました。

著者の松田さんはもともとは経営者ですから「経済」や「労働」に詳しいのは理解できるんですが、ここ数年で「政治」「国家」「平和」など社会問題の造詣も深めていったようです。そして松田さんらしさとして「家族」「倫理」「SEX」「ヒト」などのエンタメ系、サブカル系の話題も豊富。凄すぎる。遠慮なければ近憂あり。色々と勉強になりました。m(__)m

過去の著作

過去の本もおもしろいのでご紹介させていただきます。

めんどくさいことの9割は捨てていい

めんどくさいことの9割は捨てていい

めんどくさいことの9割は捨てていい

  • 作者:松田元
  • 発売日: 2015/04/12
  • メディア: 単行本
 

面白い着眼点で書かれていて、気付きを得られる自己啓発本です。普段本を読まない人にもスラスラ読めるのがこの本の特徴です。日常の中で結構めんどくさいことって多いですよね。私もついつい「めんどくさい」と言ってしまいますが、「めんどくさい」と思うことは重要であるとしているのがこの本。

めんどくさいをネガティブに捉えて思考停止に陥るのではなく、積極的に「めんどくさい」と向き合うことが大切であるとしています。「めんどくさい」という感情を因数分解することによって、解決に導ける珠玉のメソッド本。

時給800円のフリーターが3年で年収1000万円に変わる仕事術

「歩くスピードを2倍にせよ! 」 「ご馳走になったら、2回お礼をせよ」 「会社から徒歩5分圏内に住め」 「真夜中にメールを返信しておけ」 「仕事に疲れたら、仕事をしろ」

個人的に一番好きな本。過激な、でも必ず成長できる70の鉄則が書かれていて、アズ株式会社のユニークな採用戦略の原点が読み取れる本です。同社は「フリーター」「挫折経験」「夜の仕事の経験」のある人間は即採用!というユニークな採用戦略を打ち立てており、多士済々なメンバーをたくさん揃えています。

ユニークな人材を採用する理由は年収1千万円レベルの即戦力になれる「人財」育成・研修プログラムがあるからと書かれていますが、その究極の「最強」プログラムの70の鉄則が収録されたのが、この本。今回この記事を書くにあたり読み直しましたが、また新しい発見がありました。大学生や新社会人に読んでほしい本です。