映画『母』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

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松山善三監督の映画作品『母』の感想です。1988年公開(上映時間75分)。同名作品が多いらしく『母(1988年)』と表現するのが一般的なようです。かなり昔の映画で、記憶も曖昧ですが、その感想レビューを思い出したいと思います。

キャスト(役名)

吉村実子(母)
川谷拓三(父)
佐藤輝 (長男・弘)
木瓜みらい(長女・よし子)
桜井ゆうこ(次女・光子)
星野利晴(次男・進)
未来貴子(三女・久子)
村田雄浩(三女・久子の夫)
大空真弓(サロン・ド・アべ店長)
塩沢とき(隣のおばさん・八重)

解説

事故で全身麻痺となった夫を看病するため、母であることを放棄した女性の生きる姿を描く。田中敬子の作文『母』を元に、「きみが輝くとき」の松山善三が脚本を執筆。監督は「典子は、今」の松山、撮影は「美味しい女たち」の山崎善弘がそれぞれ担当。

解説2

働ぎ盛りの夫が突然の事故で全身麻痺になって以来、28年もの長い間、看病と野良仕事に明け暮れた母。ある日、まだ母親の手を必要とする5人の幼い子を前に、決然と母親放棄の宣言をして…。この作品は病気の夫の手足となって懸命に生き、なおかつ、人生を自由にはばたいた女の生き様を通して、夫婦愛とは、家族とは、ひいでは医療の問題までを現代に問うヒューマン・ドラマである。出演は母親役に「どですかでん」以来、映画は17年ぶりの吉村実子。父親役には個性派の川谷拓三。娘には未来貴子。「名もなく貧しく美しく」の松山善三監督が、ヒューマンで力強い演出をみせている。

ストーリー(ネタバレ含む)

昭和30年、秋。東北のある村で農業を営んでいた磯村久一郎は、祭りに参加した際騎馬戦で落馬し、半身不随になってしまった。磯村には妻と5人の子供がいたが、この事故をきっかけに生活は激変した。母が夫の看病に専念するために、母親であることを放棄したのである。子供たちは勉強以外の家事--炊事、洗濯、掃除なども自分たちでしなければならなくなった。幼い子供たちは母を憎み、父を恨んだ。そして、「父を殺せば、母はまた自分たちの母に戻ってくれる」とも老えたが、過酷な運命に絶えて頑張り続けた。やがて15年が経ち、子供たちはそれぞれ就職や結婚をし、独立して生計を立てていた。末っ子の久子もようやく隣村の青年と結婚することになり、式の当日、家に立ち寄った。そこで久子は母が全身麻痺となった父に、口移しで食事をさせている姿を目撃し、感動とショックを覚えるのだった。それからさらに13年後、父は息を引きとった。そして、生まれてから一度も村を出たことのなかった母は、ニューヨーク旅行へ出かけ、自由の女神像や摩天楼を見物した。

映画批評・評価

1988年なので私が4歳の頃の作品です。約20年以上も昔、幼少期に家で見た映画をいまだに覚えているのはなぜなのか自分でもはっきりしません。かなり昔の作品なので、こまかいストーリーやセリフの記憶は曖昧ですが、約20年経った今でも記憶に残っています。

調べてみると日本ファーザーズ・デイ委員会が製作しており、映画「父」(監督:木下恵介)、「母」(監督: 松山善三)の2本立ての映画製作を果たし、60万人の動員を果たしたそうです。4歳の時に映画館で見るはずがないので、公開された数年後にテレビの再放送か何かで見たのだと思います。

舞台は東北地方の田舎の農村。父を「おどちゃ」と呼び、母を「おがちゃ」と呼ぶ夫婦。素敵ですね。おどちゃは仕事一筋の無口な役柄だったと思います。おがちゃもそんな父を理解し、愛しているのが伝わってきました。

子どもたちに一回も父の世話をさせなかった母。まさか口移しで食事をさせているとは知らない三女の久子は母に「一度くらいは父親の世話をしたい」と言いますが、それを許さなかった母。それは介護の苦労をさせたくないという気持ちだったのか、父の世話は妻の仕事だと決めていたからなのか、真意はわかりません。

「生まれてから一度も村を出たことのなかった」という設定は今の時代からは考えられませんが、当時はなぜか納得できる部分がありました。いま再放送しても若い世代からは共感してもらえないでしょう。携帯電話がなく公衆電話の時代、車に空き缶を繋いでガラガラ音を出しながら荷台に花嫁が映っているシーンも当時の時代背景を忠実に再現している気がします。1998年の田舎の時代背景もよくわかる作品だったと言えます。

28年間も夫を看病をする母親に「感動」という言葉を気軽に使いたくないですが、伝わってくるものはたくさんあります。まさに自分の人生を全て捧げたと言ってもいいと思いますが、妻として母として女としての偉大さを教えてくれた作品です。

指で数字を表して簡単な意思を伝えられるようになる父、夫婦の仲睦まじいシーンがある一方で泣けるシーンもあります。ある日(死にたい)というメッセージを母に伝えるシーンがあります。何も言えず父に抱き着く母。感動のシーンです。

できるだけネットで調べて事実に基づいた記述を心がけましたが、ところどころ間違った認識があるかもしれないことをご了承ください。もしかしたらVHSビデオがヤクオクに出品されているときがあるので気になったら探してみるのもいいと思います。

最後に

名作の条件が記憶に残る作品であるとすれば、これほどの名作はありません。父役の川谷拓三さんはこの年に第12回 日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞しています。全身麻痺という難しい役を見事に演じたのが評価されたようです。監督の松山善三さんは2016年に亡くなられていました。ご冥福をお祈りいたします。

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