大人の心に深く響く『星の王子さま』の名言14選

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『星の王子さま』は、子どものための童話というイメージがありますが、むしろ大人が読んでこそ心に響く名言が多いです。「〇〇すべき」「〇〇はしてはいけない」など、知らず知らずのうちに頭が固くなっている大人の心にこそ響くお話なのです。『星の王子さま』を読み終わったあと、あなたの目に映る世界の色がほんの少しでも変わりますように。

王子様の言葉に、あなたは何度ドキリとするでしょうか?

「おとなは、いちばんたいせつなことはなにも聞かない」

おとなは数字が好きだから。新しい友だちのことを話しても、おとなは、いちばんたいせつなことはなにも聞かない。「どんな声をしてる?」とか「どんな遊びが好き?」「蝶のコレクションをしてる?」とかいったことはけっして聞かず、「何歳?」「何人きょうだい?」「お父さんの収入は?」など聞くのだ。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.23

『星の王子さま』には、大人が読んでいると思わずドキリとしてしまう言葉がたくさん散りばめられています。それはけっして難しい言葉ではなく、とても簡単で当たり前のことなのです。ドキリとするということは、自分が「大人になってしまった」ということなのかもしれません。子どもの頃はそれが当たり前だったけれど、大人になっていつのまにか忘れてしまったことだから、ドキリとするのでしょう。『星の王子さま』は、自分の心模様をありのままに映し出してくれる鏡のような物語です。

「おとなは、いちばんたいせつなことはなにも聞かない」というのは、耳が痛い言葉です。知らない誰かのことを尋ねる時に、つい目に見える数字にこだわってしまいます。そのほうが頭に思い浮かべやすいし、簡単だから。相手を知るときにはそうやって楽をしようとするのに、自分が数字で簡単に判断された時には気分を害したり……大人には矛盾した感情があります。おかしくて、寂しいですね。

「でもそんなのは人間じゃない。キノコだ!」

おじさんは、一度も花の香りをかいだことがなかった。星を見たこともなかった。誰も愛したことがなかった。たし算以外は、なにもしたことがなかった。一日じゅう、きみみたいに繰り返してた。『大事なことで忙しい! 私は有能な人間だから!』そうしてふんぞり返ってた。でもそんなのは人間じゃない。キノコだ!

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.38

いろいろな星を旅していた王子様が出会った、実業家のことを振り返っているシーンでの言葉です。実業家はすべての星を所有するために計算ばかりしていて、王子様が挨拶しても「忙しいから!」と顔を合わせることもしませんでした。

「忙しい」が口癖の人っていますね。気づかないうちにそれが口癖のようになって、ついつい言ってしまう言葉でもあります。「忙しい」と言いすぎてしまうのは、「自分は毎日忙しいくらい有能な人間なのを分かってもらいたい」という心理が働いているから、とも言われています。本当に有能な人はたとえ忙しくても心に余裕があります。少なくとも自分を見失わない程度には。忙しさに追われて、本当の幸せを見失ってはいないでしょうか?

「でもあなたは、星の役には立っていない」

ぼくは花の持ち主だったから、毎日水をやってた。三つの火山の持ち主だったから、毎週煤(すす)のそうじをしていた。火の消えたのも、そうじしていた。用心にこしたことはないものね。だから火山にとっても花にとっても、ぼくが持ち主で、役に立っていた。でもあなたは、星の役には立っていない……。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.70

こちらも星を所有しようとして計算ばかりしている実業家に対して、王子様が言った言葉です。実業家は必死に仕事をしていますが、その仕事は誰かの役に立っているのでしょうか? いいえ。「すべての星を所有しているという自慢と、お金持ちになりたいという欲」のために働いているのです。自分だけのために。

どのような仕事でも、お互いに持ちつ持たれずであることが大切だと教えられる名言ですね。あなたが毎日時間を割いて行っていることは、誰かのためになっていますか?

「ばかげて見えないのはあの人だけだ」

でもぼくには、ばかげて見えないのはあの人だけだ。それはきっとあの人が、自分自身以外のことをいっしょうけんめいやっているからだろう。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.76

ちいさな星の点灯と消灯を一分毎に繰り返して、寝る間もないほど働いている点灯人と出会ったときの言葉です。王子様が言いたいことは前回の言葉と同じです。必死に働いているその仕事は、「自分以外の誰かのためになっているかどうか」、「美しいことかどうか」。

点灯人は要領も悪く、仕事を手抜きするということも考えません。それはほかの大人たちから見れば「頭が悪い」と思われるでしょう。しかし、点灯人がやっている仕事は、誰かのためになっています。点灯人はそれを直接確認することはできないけれど、点灯人が星を点灯することで、人々は夜空に瞬く星が見られるのです。たとえそれが何億もの星たちのなかの、たったひとつの星だとしても。その星を眺めた人にとって救いとなるかもしれないのです。

「子どもたちだけが、なにをさがしているのか、わかってるんだね」

子どもたちだけが、なにをさがしているのか、わかってるんだね。子どもたちは、ぼろきれのお人形に時間を費やす。だからそのお人形はとっても大切なものになる。それでとりあげられると泣くんだね。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.111

幼い頃のこのような記憶はあるのでしょうか? ぼろぼろになったぬいぐるみが手元になくなった時の悲しみを。大人になった今でもまだ思い出せるでしょうか? 

「自分が何を求めているのか」、「何を探しているのか」、真剣に考えれば考えるほど分からなくなってきます。しかし、それは大人になって知識や経験が増えて、物事を知りすぎてしまったからなのかもしれません。知識や経験が増えるということは素晴らしいことです。でも時には難しく複雑に考えないで、子どもたちみたいにもっとシンプルに考えれば答えはすぐに見つかるかもしれないと教えられるような言葉です。

友情と愛情の育み方を忘れてしまったあなたにヒントを与える言葉

「ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる」

でもきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界でひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.100

年齢を重ねれば重ねるほど、新しく人間関係を築くことが難しくなると言われていますね。仕事関係や子ども、地域にまつわる関係は大人になるにつれて増えていきますが、純粋に友達だと言える関係は少なくなってくるのではないでしょうか。そして気がつけば、「友達の作り方が分からない」「恋愛の仕方が分からない」という状況に直面して焦るのです。

王子様が出会ったキツネは”なつく”ということの重要性を教えてくれます。”なつく”というのは、絆を結ぶこと。絆の結び方が分からないという方は、ぜひ『星の王子さま』を読んでみてください。誰かと友達になるためにはどうしたらいいのか、具体的にキツネが説明してくれます。

「なつかせたもの、絆を結んだものしか、ほんとうに知ることはできないよ」

なつかせたもの、絆を結んだものしか、ほんとうに知ることはできないよ。人間たちはもう時間がなくなりすぎて、ほんとうには、なにも知ることができないでいる。なにもかもできあがった品(しな)を、店で買う。でも友だちを売ってる店なんてないから、人間たちにはもう友だちがいない。きみも友だちがほしいなら、ぼくをなつかせて!

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.103

こちらも耳が痛い言葉です。「友だちを売っているお店はない」というのは当たり前のことですが、いまの世の中ではほとんどのものがお金で買えます。簡単に手に入るものばかりです。だからこそ、簡単に手に入らないものや、お金では解決できないことが貴重なのではないでしょうか。絆もそのひとつです。

ほかにもたくさんありますね。ひとつは時間。私たちは過去のことを悔いたり、未来のことを心配して、現在のこの”瞬間”のことを大切にせずに生きている方も多いのではないでしょうか。しかし時間は戻せないし、お金では買えない大切なものなのです。

絵本 星の王子さま

絵本 星の王子さま

 

 「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」

きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ。人間たちは、こういう真理を忘れてしまった。でもきみは忘れちゃいけない。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.109

王子様は一本のバラを星に置いてきてしまいました。それはバラのわがままに耐えられなくなったから。そして地球にやってきて、何千本ものバラが咲いている庭を見つけてしまいます。「バラはこんなにあったんだ!」と知って悲しくなるのです。しかし、王子様はやがて気づきます。いくら何千本ものバラが咲いていても、自分の星のたった一本のバラには到底かなわないことを。それは「バラに費やしてきた時間が違いだよ」とキツネが教えてくれます。

王子様とキツネ、王子様と「僕」との関係も同じ。時間をかけて絆を深めたからこそ、その相手は自分にとって特別なものになるということ。中途半端に与えたものは、中途半端にしか返ってきません。時間と労力をかけなければ、真剣に向き合わなければ大切なものはなにひとつ、手に入らないのです。

「悲しい気持ちは必ずやわらぐよ」

そのうち悲しい気持ちがやわらいだら(悲しい気持ちは必ずやわらぐよ)、ぼくと知り合ってよかったって思うよ。きみはずっとぼくの友だちだもの。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.133

絆が深まれば深まるだけ、比例して別れの悲しみも深くなります。人が出会ってから別れがない関係なんて、なにひとつないといってもいいのではないでしょうか? 誰かと出会えば必ずその人との別れも訪れます。長年連れ添った夫婦だって親友だって、いつかはどちらかが先に死ぬからです。別れの悲しみが耐えられないから、出会いも要らないとなりますか?ならないですよね。

しかし、実際に大切な人との別れは耐えがたいものです。きっと、体験した本人にしかわからない感情なのだと思います。そんな時に王子様の言葉に救われるときもあります。悲しみはいつか必ず”和らぐ”ということ。けっして”消える”わけではないのです。消えるということは、出会った喜びも全部忘れてしまうということだから。出会った喜びも、別れた悲しみも、全部がその人との絆なのですね。この王子様の言葉を読んで、悲しみすらも愛だったのだと気づくことができました。

世界の色が一瞬で変わる、魔法のような言葉

「いちばんたいせつなことは、目に見えない」

とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.108

「たいせつなことは、目に見えない」当たり前のようでとても深い言葉です。「そのようなことは言われなくても分かってるよ」と思ってしまいます。でも本当に? 目に見えないものを信じることは考えている以上に難しくはないでしょうか。なぜ難しいのかというと、結果や成果が見えないからです。目には見えないものを信じることはとても怖いことだから。

ですが、見えるものだけを信じていると人生はすぐにぐらつくのではないでしょうか。あっというまに崩れてしまうでしょう。この世界で目に見えるものは全て、変わっていくからです。常に変化してしまうものだから。そのほうがとても怖くて不安。目には見えないものを信じる力は、たとえ世界が変わっても、大切な誰かに裏切られたときでも、自分自身を支え、それだけで人は生きていけるほどの強くてたくましい力を持っています。

『星の王子さま』の物語にはたくさんの動物や人が登場しますが、主人公である王子様や「僕」を含め、全員に名前がついていません。どれだけ仲良くなっても、お互いに名前を尋ねもしないのです。大切なのは名前という目に見えるものではなく、目には見えない関係性だと教えられるようですね。

 「たった一本のバラや、ほんの少しの水のなかに、あるのかもしれないよね」

地球の人たちって、ひとつの庭園に、五千もバラを植えてるよ……それなのに、さがしているものを見つけられない……。だけどそれは、たった一本のバラや、ほんの少しの水のなかに、あるのかもしれないよね。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.121

とても深い言葉ですね。幸福と不幸は人が持っているものだけでは到底計れません。いくらお金持ちでも、いくらたくさんの子どもに恵まれていても、いくら才能があったとしても、不幸な人は世界に数えきれないほどいます。反対に、どんなに貧しい暮らしをしていても、たとえ子どもができなくても、才能がなくてありふれた平凡な能力しかなかったとしても、幸福な人は数えきれないほどいます。

なぜそんな差が出てくるのでしょうか。それは幸せというのは、「幸せ」だと感じる力が強いか弱いかの違いにすぎないから。「いくら探しても欲しいものが手に入らない」「自分にとっての幸せがどこにあるのかわからない」と思うとき、自分のまわりにあるものに目を向けてみてはいかがでしょうか。

「星という星ぜんぶに、花が咲いてるように見える」

どこかの星に咲いてる一輪の花を愛していたら、夜空を見あげるのは、心のなごむことだよ。星という星ぜんぶに、花が咲いてるように見える。

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.131

飛行士として世界中を飛びまわり、砂漠での遭難を幾度となく体験したサン・テグジュペリだからこそ、このような大きい視野で物事が見えるようになるのかもしれません。「一緒にいること」と「愛し合っている」ということは、必ずしもイコールではないということを教えてくれます。

一緒にいなくても気持ちが通じ合えていることが愛。だからたとえ住む世界が違っても、たとえ死んでしまって二度と会えないとしても、大切な人とはいつまでも繋がっていられるのです。「大切なことは目には見えない」という言葉は、こういう場合でも当てはまりますね。

大人になったからこそ深く響く、王子様の言葉

「おとなだって、はじめはみんな子どもだったのだから」

おとなだって、はじめはみんな子どもだったのだから。(でもそれを忘れずにいる人は、ほとんどいない。)

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 前書き

いつから私たちは大人になったのでしょうか? 突きつめて考えると「子どもと大人の明確な境界線はないのではないか?」という結論に達します。いくら年齢を重ねても少年や少女の心を持っている大人はたくさんいます。わがままに自分の主張を繰り返すことが子どもらしい大人ではありません。よく言われることですが、子どもか大人かは、やはり年齢は関係ないのでしょうね。でも、大人はみんな子どもだったことだけは確実なこと。

もう子どもの頃には戻れなくても、子どもの頃の感情は消えてしまってはいないのです。忙しい(と思っている)日常に追われて、ほんの少し忘れてしまっているだけで。

「するとなにもかもが変わって見えるのが、きみたちにもわかるだろう」

空を見あげてみてほしい。そしてこうたずねてみてほしい。「あのヒツジはあの花を、食べたかな、食べてないかな?」するとなにもかもが変わって見えるのが、きみたちにもわかるだろう……。でもそれがどんなに大事なことか、おとなには、ぜんぜんわからないだろう!

出典:サン・テグジュペリ 小説『星の王子さま』(河野万里子 訳)新潮文庫 p.143

『星の王子さま』の終盤の「でもそれがどんなに大事なことか、おとなには、ぜんぜんわからないだろう!」という辛辣な「僕」の言葉は衝撃的です。でも本当にそうなのだろうかと私は思います。子どもの頃に『星の王子さま』を読んでいたときには、こんなに心に深く響くことはなかったです。子どもながらに「大人って複雑で矛盾していて大変なものなんだなあ」とぼんやりと思うだけで、子どもの自分にとっては、当たり前のことだったのでしょう。

大人になって、はじめてサン・テグジュペリの言葉が深く理解できるのではないでしょうか。大人になって、守るべきものがたくさん増えて、いろいろな挑戦がとても怖くなって、小さなことで感動できないくらい心の余裕がなくなってしまった。そのような弱い大人になったからこそ、『星の王子さま』が心のなかで宝石のように輝き出すのではないでしょうか?

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 

何かに迷ったり落ち込んだ時に『星の王子さま』を読むと、「世界はもっと単純でシンプルなんだよ。」と教えられるのです。そして星空を眺めると、不思議と涙が出てくるのです。

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