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【死刑囚042】感想ネタバレ第5巻まとめ

「死刑囚042」の最終巻です。何回読んでも泣ける漫画です。

死刑囚042 5 (ヤングジャンプコミックス)

死刑囚042 5 (ヤングジャンプコミックス)

 

あらすじ

舞台は日本に限りなく類似した架空の近代法治国家。死刑囚042号(本名:田嶋良平)はある日突然独房から出され、椎名という研究者から死刑制度に代わる新たな制度のための実験に参加しないかと言われる。その実験とは、殺人犯などの凶悪な死刑囚を死刑にする代わりに、興奮し殺意を抱いた時に脳が発する周波数を感知すると自動的に爆発するチップを脳内に埋め、かつ24時間体制の監視役をつけて安全を確保した上で社会奉仕をさせるというものであった。田嶋はその提案を受け入れ、チップを脳内に取り付け、「集英高校」で働く事になる。

感想ストーリー(ネタバレ注意)

ゆめはバイオリンでプロデビューしないかと誘われる。コンクール入賞のタイミングでCDデビューの話をもらい悩むゆめ。告白もされる。
042号の実験が終了することになり、刑務所に戻されることになった。みんなが諦めずに継続する道を検討している中で、椎名自身も仲間と一緒に第二の実験計画案を検討する。
ゆめはあくまで自分のペースでゆっくりと進むことを決め、CDデビューと、告白、両方を断るがすっきりとした表情で歩いていく。

3度目の春に新しい実験体 死刑囚053号がくる。本名:湯川安貴 25歳の時に猥褻目的で6歳 5歳 7歳の少女を次々と連れ去り殺害した快楽殺人鬼。椎名は田嶋に「動くマネキンかロボットだと思ってこらえろよ」とアドバイスする。田嶋は「わざとじゃなけりゃ、そうとうズレてるようなアイツ」と感じる。田嶋との会話の中で椎名は「君はまだ・・・10歳やそこらの子供だったのに」と田嶋が子供時代に殺人を犯していることに気づく。

 

ゆめは田嶋に会いたいが、周囲に死刑囚053号がいることから止められる。椎名が学校でお別れのスピーチをおこなう。「この国の犯罪件数は年間2万件を越えます。そのうち殺人は大体1千件以上。そのうち大体6百件くらいが起訴されますが、死刑判決は年間 数件も出ません」「つまり殺人を犯した者も大多数がこの社会に戻ってきているんです。死刑判決を受けた者と何十年かして社会に戻ってくる者。この両者は別世界の人間でしょうか?」「気づいてないだけで彼らは確実に我々の社会の一部なんです。我々が別世界だと思い込んで過ごしているだけにすぎません」「彼らもまた同じ人間で 君達と同じように母親から生まれ、ようやく立ち上がり、小学校に通い、中学校に通い、少し乱暴な言い方かもしれませんが今 君達の隣に立っている。そういう人間の一人だったはずです」「何か他の人と感覚が違うと気づき傷ついたり、家庭の問題であったり、友人関係であったり、そういう小さな日常のほころびから・・・始まっていったのかもしれません。」「だから どうかあなたのまわりをもっと見てあげて下さい。さみしそうな人や何か問題を抱えているような人に少しだけやさしくしてあげて下さい。我々の社会の見えない隅に追いやらないであげて下さい。」第一の実験はそうして終わった。

 

椎名ナレーション
それから4カ月。僕達は緑豊かな老人介護施設にいる。田嶋は点訳をこなせるようになって、ボランティア団体から仕事を引き受けている。今は映画化された有名な小説を訳している。ここは時間がゆっくり流れている。山口のじいさんの本のおかげで、田嶋はお年寄りに人気がある。彼のためには良かったのかもしれない。

 

椎名の結婚式に参加する田嶋。

 

人生には今思いかえせばあれば「幸せ」そのものだったな・・・と思い返す「幸せ」の方が多い。今幸せだと感じることはとても少なく、一瞬のことなのだけど、一生忘れられないそんな「幸せ」になる。

 

あやのと再開する田嶋。あやの腕には生まれたばかりの子供が抱えられている。「ありがとう」と伝える田嶋。

 

これが最後の幸せな彼の姿になった。

 

その後、053号がチップの誤作動で死亡。実験は中止になる。最後のカウンセリングで、田嶋から過去の失踪事件の話を聞かされる椎名。別れる最後にカウンセリングの手続きをしてくれと頼む椎名。

 

「ああ わかった」「ありがとな 椎名」「みんなも」「楽しかった」

 

それが彼の最後の姿になった。彼はカウンセリングを申請しなかった。彼のプライドがそうさせたのか。それとも彼なりに僕を気遣ったのかはわからない。半年後知らせが突然やって来た。新聞で公表されるまで僕達は何も知らされなかった。死刑が執行された2日後のことだ。

しばらくして本庁の笹塚さんから手紙が届いた。僕を気遣ってしばらく封印していたそうなのだ。(幸せそうな写真)

 

 

彼は今 緑豊かな自然の中で眠っている。